新卒は3年以内の離職率が32.3%だけど、大学生活どうする?

新卒の離職32%の大学生活

ニュースにも大々的に報じられていることなので多くの人が知っていると思いますが、31%もの新卒者が不安や期待に胸を躍らせて入った就職先で待ち受けていた現実に打ち拉がれて会社を辞めているようです。このデータが意味しているものは何なのでしょうか?

今回は新卒者の離職に関して少し突っ込んだところまで考えてみます。


新卒は3年以内に3割辞めていく

厚生労働省の統計によると、就職先の会社が生き残っていたとしても、その会社で働き続けることができたとしても3割以上の新卒就業者が会社を辞めていきます。飲食業界に関しては50%を超えています。

この離職率に関する数字は3年以内なので、5年以内だと恐らく40%〜50%ほどになっているでしょう。

辞める理由は以下のようになっています。

離職理由

みな様々な理由で辞めていくわけですが、グラフを見て分かる通りほとんどの人が働いている会社に対してネガティブな理由を抱えて辞めていきます。一応ピックアップしておくと、離職理由のベスト5は

  1. 給与に不満
  2. 仕事上のストレスが大きい
  3. 会社の将来性・安定性に期待が持てない
  4. 労働時間が長い
  5. 仕事がきつい

となっています。

えっ、これってどこに原因があるの?

企業と就職者のミスマッチが問題なんだと思いますが、面白いことにグラフの中でのポジティブな理由は約18%の『キャリアアップするため』というものだけです。何だか会社が悪いのか、ゆとり世代の甘えなのか良く分からなくなってきました(笑)

米国では短期間で会社を渡り歩くことが当たり前なので、辞めること自体は問題ではないと思います。ただ、このマイナス思考な所は、どうにかしたいですね。

新卒社会人がこのように考える原因としては、

  • 社会人生活に慣れていない
  • 年配の上司との付き合い方が分からない
  • 仕事が合っていない
  • 働いている会社が相当ひどい

などが挙げられると思います。

週5で8〜10時間労働をやらされてしまうと、一年の半分以上が休みだった大学生活を過ごしてきた学生にとってはそれだけでブラックな気もするし、社畜になった気もすると思います。

大学生までは限られた人間関係で主に同世代の人と付き合うので、社会人になって馬の合わない親の年齢くらいの上司と一緒に仕事をするのはめちゃくちゃストレスが貯まるはずです。性格が良い人であれば良いですが、理不尽な上司に当たったらとても辛いです。

仕事が楽しくてやりがいもあればまだしも、仕事自体もやりがいを感じずつまらないものだったら続けたいと思えないでしょう。

働いている労働環境がひどくて、上司(笑)な存在ばかり。給与も低く残業が多いのに残業手当はつかない。育児休業もできないし休みも全然ない。そんな会社だったらよほど仕事が楽しくてやりがいがなければ続けられないと思います。

注意事項
会社を辞めて再就職先を探していると、高確率で面接時に前職を退職した理由を聞かれます。正直な話、ネガティブな理由で短期間に会社を辞めた人はマイナスの印象を与えてしまうので、気に入った企業に就職するのは大変です。

これらは事前にある程度の対策を練ることが可能ではないか?

離職の後を考える

今回考えてみて欲しいのは離職をするのが良い悪いとかではなく、社会人になって後から後悔しないために学生のうちからできることはないのかということです。

  • 社会人生活に慣れていないのであれば、長期のインターンシップなどを利用して夏休みを捨てて社会人としてフルに働いてみる
  • インターンシップなどで年配のビジネスマンとコミュニケーションをとってみる(年齢層の高い人が嫌なら若い人達しかいないベンチャー企業を探す)
  • やりがいのある仕事を見つけるために自分の軸を見つけておく
  • OB訪問をするなどして会社の労働環境について聞いて調べる
  • ビジネスについて学び、就職ではなく独立を視野に入れてみる

何も考えずに就職活動を迎えてしまっては、忙しくて準備に時間をかけることは中々できませんよね。社会人になってから後悔する確率を下げたければ、大学生活はただ単に遊ぶための期間ではないはずなので、社会に出る前の準備期間としての準備をなるべく早くからすることが大切です。

ここがポイント!
大学生が就活の時期になってから社会との関わり方について考えることが多いですが、どうせ考えるなら先回りして考えて行動しておいた方が良いと思います。そうすることで就活期に準備を終えた状態で自分の就職したい企業にアタックすることができます。

社会人が異常なのではなく、大学生までが異常

もう一つ考えてみて欲しいのは、学生と社会人だったらどちらが生活を営む上で一般的な状態でしょうか。人は働かなければ社会では生きていけないのは昔から変わっていません。必ずしも全員に当てはまるわけではありませんが、働くのは社会生活を営む上で最低限必要なことだと考えられます。

学生までは多くの学生が学費を親に払ってもらい、仕送りをもらったりと何かしら親にお世話になっています。恐らく、親が働いていなければ、借金をしない限り大学には通えないし、大学に出た後に借金を返さないといけなくなります。

結局、資本主義社会で生きるためにはお金が必要であり、いつまでも親にお金を支払わせないで社会人として生きていくなら、そのお金は自分で働いて稼いでいかなければなりません。社会人人生はとても長いので、長期的にみてどのように仕事をしていくのかを考えていくことはとても大切です。

(皆が会社勤めでサラリーマンになるべきだとは思っていませんし、満員電車に毎日揺られて週6日で10時間労働など社会的に見て労働環境の悪い会社での社会人生活はどんなに母数が多くても異常なので、就職を全肯定してはいません。)

ここがポイント!
学生時代というのは、いわゆるモラトリアムの時期にあたるので、社会に出る前の準備が大切です。悩みながら経験と学習を積んでいくのが基本だと思いますが、できる限り質を高めていけると良いですね。

まとめ

社会人の方の話を聞いていると、優秀な会社に就職をしていない限りは足早に離職すると良い転職先が見つからなかったり、業種や職種の変更がうまくいかない場合が多いと聞きます。転職先が現状より悪化したら元も子もないので、中々辛いです。

運良く就職した会社でやりたいことややりがいを見つけられるかもしれません。しかし、そうでなかったらの場合を考えてみると何も考えずに就職活動を迎えて就職をしてしまうのはとても危険です。

会社側も工夫すべきなのは間違いありませんが、責任を会社側に押し付けるような形にしてしまうのは単なる一方的な主張になってしまうので良くありません。自らが主体的に目的意識を持って準備をした上で会社に就職し、その上でどうしてもという場合に離職などを考えてみると良いのではないでしょうか。

会社に就職するのはほぼ全ての人が通る道です。いかにして会社に就職せずに生活をする道を探るのも良いですが、会社に就職することも考えるのであれば良い準備をして社会人生活を迎えましょう。

2 COMMENTS

解放王アルスラーン

新卒の離職率が高いのを学生のせいにして雇用環境の改善をしない力のある社会人がどう考えても異常。ベーシックインカム導入すればブラック企業淘汰できるでしょうに。よって政治が悪い。主導者には正義の心がない。学生悪くない。ニート万歳。我々は奴隷ではない。人間なのだ。無理して働く必要はない。死ねばいいのだ。

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北海道大学の研究では、「働かない働きアリは集団の長期存続には欠かせない。」ということが明らかになり、働かないニートも人間社会の長期存続には必要かもしれないと言われています。
ベーシックインカムを導入したフィンランドの今後は気になりますね。もしかすると、日本もいずれベーシックインカムを導入するかもしれません。

ニートでもなんでも構いませんが、より良い社会を作っていきたいという想いがあるのであれば、その実現に向けて注力してみてはどうでしょうか?

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