大学生の就職自殺の問題は非常に深刻です。就活生の1割が「本気で死にたい」と考え、20代の死因の半数近くが「自殺」となっているようです。
多くの大学生が、就活してみて初めて社会の厳しさを知ることになります。就活が上手くいかないと「自分は社会にとって不要な人間なのかもしれない」と不安で頭がいっぱいになります。
では、そんな就活自殺すら頭をよぎる状況で就活生は何をすべきなのでしょうか?
今回は、大学生の就職活動の目を逸らしてはいけない実態について見ていきます。
そこで選べる道は、2つあります。
- 困難な現実と向き合うか
- 諦めて現実から逃げるか
どちらを選ぶのかは、各々の自由です。
ただし、自殺という選択肢はあり得ません。学校のテストで赤点とったくらいで自殺をする必要がないのと同じように、たかが就活に失敗したくらいで死を選ぶのは勿体ないと思いませんか?
- 就活生が「本気で死にたい」と思う現状
- 就活との向き合い方
この記事の目次
就職活動は地獄への入り口
大学生は見た目は大人と同じですが、中身はまだまだ子供です。ほとんどの人は社会のことなんて全然知らないし、知識も経験もない。大きな失敗経験もほとんどない。大学生活の大半をサークル・バイト・学生団体などの活動で過ごしています。
そんな学生達が就職活動を行い、100社エントリーして就職試験を受けていくものの、内定ゼロ。
こんな状況になったら、どう思うでしょうか?
- 「不合格通知がきたときに『人間否定』されているように感じた」
- 「就職活動に正解がないのが難しく、つらい」
- 「正直に生きるのがバカらしくなる」
- 「みんなはうまくやっているのに、自分だけが、なぜこんな目に……」
就職活動生の1割「本気で死にたい」 若者の「就活自殺」なぜ急増:J-CASTニュースによるとこのような思考に陥ってしまう学生が多いようです。
また、奨学金の返済等、今後の生活を考えてマイナス思考になってしまっているのかもしれません。
- 「奨学金の返済はどうすれば良いのか?これでは借金地獄だ」
- 「無理をいって大学に通わせてもらったのに、これでは親に顔見せできない」
- 「知り合いに合って就活の話をするのが怖くて仕方がない」
- 「どうしてこれまで遊んでばかりで何もしてこなかったのか?後悔しかない」
確かに大変な時期かもしれませんが、これを乗り越えることができたら、後の人生は結構楽になると思いませんか?
借金・人間関係・生活習慣…これらが改善されることであなたが得られるものは何なのでしょうか?
一般に「成功している」と言われる人の多くも、同じような悩みを抱えていた時期があります。彼らは借金数億円を抱え、友人や社員の裏切られ、社会から痛烈な批判を浴びたとしても前向きに生きています。
時には自己破産し、家族と縁を切られ、お金がないせいで恋人から別れを告げられた人もいます。
客観的に考えてみると、このようなマイナスの状況は自身が成長するチャンスです。上手くいった他人と比較するのは時間の無駄ですし、自慢話に付き合ってあげる必要もありません。
年間2万人以上が自殺する国
日本のおもてなし文化は素晴らしいように見えますが、視点を変えて考えてみると「他人の目をばかり気にしている」と捉えることもできます。
そして日本では毎年2万人以上が自殺し、先進国で物質的には豊かにも関わらず世界一自殺率の高い国でもあります。その中でも未来があるはずの大学生の割合が高く、6年間で3,000人もの大学生が自殺しています。
自殺の原因としては、学業不振や進路の悩みが多いようです。
大事なのは他人との比較ではなく、過去の自分との比較
必要なのは他人との比較ではなく、過去の自分との比較です。1年前の自分と比較して、現在のあなたは成長できていますか?
過去の改善と未来への渇望によって人は成長していけます。今の自分に納得いかないなら、周りより少し出だしが遅れても自分を変えれば良いだけです。
人間の脳はDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)という脳領域で無意識に他人との比較を行い、社会的な感性を養っていきます。これが過剰に働き過ぎると、マイナス思考が何度もループする状態に陥り、精神不安定になります。
この対処法として、毎朝太陽の光をしっかりと浴びる。1日20分で良いから散歩やランニング等の運動をすると、不安や悩みに対する過剰な思考が整理され、何をすれば良いかが明確に分かってきます。
セレトニンと呼ばれる精神を安定させる脳内物質が分泌されることで、心が落ち着いてくるのです。
逆に、何もしないほど脳はネガティブに働き、もともと人間の脳はネガティブな情報に反応しやすいため、時間が経つにつれてさらにネガティブ思考が深刻化していきます。
就職はあくまで手段でしかない
「大学を卒業したら会社に就職しよう。できることなら、安定の見込める大企業が良い。」大学生の親世代の高度経済成長期を歩んできた大人達は、昭和的な価値観でこのように言ってしまいがちですが、本当にそうでしょうか。
企業に就職するというのは一つの手段でしかありません。
例えば、起業するのもありだろうし、まだやりたいことが見つかっていないのであればフリーターとしてアルバイトで自分探しをしながら生活をしていくのも良いと思います。
あるいは、日本を見捨てて海外に働きにいくのもありかもしれないし、お金があるなら卒業後に海外留学や世界旅行に行くのも良いかもしれません。専門的なスキルを身につけられるスクールに通う道もあります。
他にもいくらでも選択肢はあると思います。
「甘ったれるな!就活ごときで、何をいっている、社会にでたらもっと辛いことに向き合う必要がある」(就活うつ自殺:「甘ったれるな」も「全員が正社員になれる社会を」も両方違う。より)といった意見になんてどうでも良いです。生き方は人それぞれなのだから。
社会の現実を見よう
「そうは言っても、やりたいこともないし、やれることもない。何をしていいのかも分からない。」そう思う人も大勢いると思います。
ですが、そう思う人達は社会のことをどれだけ知っていますか? テレビのニュース番組の情報だけを頼りに社会の現状を捉えてはいないでしょうか。
- 現代は働き方が多様化しているが、どういったものがあるのか
- 社会の仕組みはどうなっているのか
- 世の中にはどんな会社や仕事があるのか
- 社会はこれからどうなっていくのだろうか
人殺しや人身売買や動物の虐待がビジネスになることもあるし、社会の現実は腐っている部分もあります。でも、今こうやってネットを自由に使えて世界の情報にアクセスできたり、欲しいものが簡単に手に入ったりと、便利で素敵な面もあります。
大学では社会のことを学ぶ機会はとても少なく、何も知らないが故に就活の失敗の重さを過大評価してしまい、塞ぎ込んでしまうものです。
大学はそもそも研究機関であり、就職支援所ではありません。
大企業の就職の際には学歴が見られ、海外の企業は学歴を重視するのが当たり前ですが、学歴では測れない雇われ方や働き方があるのも現実です。
選択肢が多過ぎる。だから、多くの人が道に迷う。
根本的な問題は、多様化し過ぎている社会での正しい生き方や働き方が分からないことではないかと思います。
就活セミナーでも、人によって内容は全然違うから、何を信じれば良いのか分からない。色んな会社がありすぎるから、周りの人達を参考にマネてみるけど、マジョリティ化してしまって「その他大勢」の仲間入りをしてしまう。
何が正しいのか?を他人に求めてはいけない。
結局のところ、自分が正しいと思ったことが正しい。いくら社会的に正しいことを言っていたとしても、ある人にとってはそれは間違いだったりもするし、批判されることもあります。
小学校の頃を思い出してみると、担任の先生がいくら正しいことを言っても全く言うことを聞かなかった覚えはあるのではないでしょうか? 答えのない世界では、何が正しいのかを判断するのは自分次第であり、それを判断するのはその人の思考です。
なので、他人の意見は参考程度に大量に吸収してみることがおすすめです。なぜなら、そこには色々な正しい答えがあるからです。迷って自分で決められないなら、信頼できる専門家の意見を聞いてみましょう。ただし、最終判断するのはあなた自身です。それは徹底しましょう。
たかが22歳の1年間で人生が台無しになるわけがない
一般に言われる優良企業に就職した人間も落ちぶれることは否応なしにあるわけで、たかが20歳ちょっとで人生決まるわけではありません。
1年もあれば大抵のことはできるようになるものなので、「ヤバいな」と思ったら社会で使えるスキルを身につけるために時間を使ってみましょう。
まとめ
就活自殺が問題になる背景には、メディアの煽りや学生に就職という選択肢を押し付ける古い体質があります。
就職活動を今後の人生の分岐点として扱うから、みんな無理に就職して3年で3割の新卒者が会社を離れていく。さらにそれを「メンタルが弱い」などと煽る。
そんなメディアの演出を真に受けた学生達は焦って「就職活動で失敗したら人生終わりだ」と思ってしまう。現実を知って冷静に考えてみると、メディアの情報や大人達の意見なんてどうでも良いと分かりますが、就職活動さなかの学生たちはそんな余裕はないかもしれません。
どこかのマンガの言葉に「間違っていたのは俺じゃない。世界の方だ。」という台詞があった気がしますが、そんな感じで社会の荒波に流されていくのではなく、自分の道を進む人生も良いものなのではないかと思います。