大学生のみなさん、キャリアセンターは利用したことがありますか?
就活時期でなければ利用したことのない人がほとんどだと思いますが、就活に際して半数程度の大学生がキャリアセンターを利用しているようです。
今回はそんなキャリアセンターとはどのような機関なのかを再確認して、そのメリット・デメリットについてまとめていきます。
キャリアセンターとは
『キャリアセンターとは、主に就職活動などみなさんの就職活動を支援する部署。多くの大学・専門学校などに設置されており、学校によって「就職課」「学生課」「就職指導課」など多少名称が違う場合もあります。就職ガイダンスやセミナー、合同説明会などのイベントの企画・個別の就職相談の対応など、みなさんの就職活動をサポートしています。』JOBRASS|怒られるって本当? キャリアセンターの実態に迫る!
キャリアセンターは大学に設置されている学生の就職支援機関。旧「就職課」。キャリアセンターの職員や外部のキャリアカウンセラーが就活の相談の乗ってくれます。
キャリアセンターの目的
キャリアセンターの目的は主に以下の3つです。
- 大学の就職実績の向上
- 大学生の就職支援
- 大学の満足度向上
押さえておくべきポイントは、キャリアセンターは学生のための機関である以前に大学の就職実績の向上を目的としている点です。
なので、学生の希望する職種を聞いてそれに適した企業を紹介するよりも、学生が就職しやすい企業を紹介します。場合によっては、望まない企業を熱心に勧められることもあるかもしれません。
なお、就活エージェントを利用する際は、その目的が利潤・有名企業への内定実績を得ること・高い就職率を実現することであり、自分の望む企業は自分で決めなければならないことが分かると思います。
キャリアセンターで実施されている活動
就職ガイダンス・就活セミナー
就活が始まる前に、就活の流れや基本を教えてくれます。また、外部講師を招いてキャリアに設計やES・面接対策の講義を開催したりします。
実際にキャリアセンターへと足を運んだことのない人も、キャリアセンターが運営している就職関連の講義には参加しています。
就活イベントの告知・開催
例えば、OBOG会で学生と卒業生の相談会を開催したり、地方自治体と連携してUIターン就職の支援・イベントの告知なども行っています。
合同説明会の開催
大学内に企業の人事を招き入れて合同説明会を開催します。参加しやすく、大学から就職実績の出ている企業が集まっており、就活を身近に感じることができます。
もしかすると良い企業が見つかるかもしれないので、ぜひ参加してみましょう。
OB・OG情報の公開
自分の同じ大学の先輩の就職先や連絡先を知ることができます。OB・OG訪問する際に元々知り合いでない人には中々連絡取りづらいですよね。そんな時はキャリアセンター経由でコンタクトをとってみましょう。
キャリア面談
就活やキャリア設計に対する不安をキャリアセンターの職員やカウンセラーの方が相談に乗ってくれます。混雑時には予約しないと時間をとってもらえなかったりするので、確認が必要です。
求人情報の掲載
キャリアセンターには大学に寄せられている求人情報が掲載されています。マイナビやリクナビには載っていない企業もたくさんあるので、どんな企業の情報が集まっているのかは一度見てみる価値があります。
インターンシップ情報の掲載
近年、就活で企業のインターンシップに参加する学生は増えており、キャリアセンターでもインターンシップの紹介を行っています。
キャリアセンターの利用状況
一般財団法人雇用開発センターの『2016年卒大学生就職活動調査』によると、就職活動の情報を収集する手段として46.8%が学内の就職ガイダンスを活用し、39.1%がキャリアセンターを利用しているようです。
また、インターンシップに関しても37.9%の学生がキャリアセンター経由で情報を入手しています。
これまでキャリアセンターを利用したことのある学生は全体の56.3%と半数以上であり、就活に関する情報を収集する場としてキャリアセンターは大きな役割を果たしていることが分かります。
ただ、キャリアセンターを利用していない学生の45.2%が利用するメリットを感じておらず、良いイメージを持たれているとは言えない状況です。
キャリアセンターを利用するメリット
1.無料で親切に対応してくれる
大学生は所属するキャリアセンターのサービスを無料で利用することができます。学内であれば交通費なんかもかからないので非常に便利です。
2.大学の就職状況を理解してアドバイスをもらえる
キャリアセンターの人たちはどう大学就職状況を把握しており、卒業生がどのような企業に就職しているのかを知っています。自分の大学の特徴を正確に捉えた上でアドバイスをもらえるのはありがたいですね。
3.OB・OGの情報を知ることができる
大学にはOB・OGの就職先などの情報がデータベースに蓄積されています。そこでOB・OGがどのような企業に就職しているのかを知ることができるのと、アポイントメントをとって効率的にOB・OG訪問をすることが可能です。
4.求人を紹介してくれる
大学には企業から多数の求人情報が寄せられており、学生に合わせて的確な求人を紹介してくれます。中には大手就活情報サイトには掲載されていないような求人もあり、想像もしていなかった魅力的な企業に巡り会えるかもしれません。
5. ES添削や模擬面接をしてくれる
ES添削や模擬面接等の就活対策は就活塾等のサービスに必ず存在しています。通常であれば何十万円と払って利用するサービスですが、キャリアセンターなら無料で利用することができます。
6.セミナーやイベントを開催している
キャリアセンターでは、就職ガイダンスから就活の面接対策など、様々なセミナーやイベントを開催しています。外部の講師・卒業生を招いて行っていることが多く、とても価値ある情報を提供しています。
キャリアセンターを利用するデメリット
1.大学の就職実績作り・就職率の上昇が目的である
キャリアセンターの目的は大学の就職実績の向上です。なので、大学生に適した良い企業を紹介するというよりも単純に就職しやすい企業(大学にとって都合の良い企業)を紹介する傾向にあります。
キャリアセンターに頼っていては、本当に良い企業は見つかりません。自分の行きたい企業は自分で調べて決めていきましょう。
2.キャリアセンターの職員は就職経験がない
キャリアセンターは大学に数ある部署の一つであり、そこに配属された大学職員が担当することになります。そこで問題なのは、大学職員の多くには民間企業への就職経験がないということです。
となった場合には、就活生に適切なアドバイスをすることができるのか非常に疑問になってきますよね。理屈だけでは納得できないことも多いのです。
3.キャリアセンターの職員は実務経験がない
就職経験がないのと同じように、キャリアセンターの職員には大学生の多くが就職する民間企業での実務経験がありません。ビジネスの現場を知っていないので、同様に就活生に適切なアドバイスをすることができるのか疑問です。
ただキャリアセンターの職員は企業の人事担当者と頻繁に話をする機会があります。なので、企業の人事担当者がどのような考えを持っている傾向にあるかどうかは知ることができます。
4.紹介できる企業が少ない
大学には多数の企業から求人情報が集まりますが、ネット上の就職情報サイトと比較すると紹介できる企業は少ないです。なので、キャリアセンターを利用した場合、あなたがベストだと感じる求人が見つかる可能性は低いと考えられます。
ただし、キャリアセンターでしか発見できないような魅力的な企業が見つかる可能性はあります。
5.就活時期は混雑している
就活時期にはキャリアセンターが非常に混み合います。そうなると、利用しようと思っても待たされてしまったり、そっけない対応をされてしまう、満足できる情報が得られないといったことが頻繁に起きます。
6.偉そうに対応してくる
ネットの記事に記載されてたのですが、キャリアセンターの方は就活生に対して教員という立場から接することになるので、それが偉そうに対応されていると不満を覚えるそうです。
まとめ
キャリアセンターは就活に関する情報を収集するための一手段としては利用できますが、そこで得た情報だけでは不十分です。
ただ、学内に設置されていて無料で利用できるのに加えて、人材会社の就活セミナー・OBOG会といったイベントを開催していたりするので、活用の仕方によっては非常に価値があります。
昔と違って就活に関する情報の多くをWeb経由で入手している学生が多いと思いますが、実際に足を運んでみないと実状を知ることはできません。
大学によってキャリアセンターの提供する情報・サービスは異なるとは思いますが、試しに一度は利用してみてはどうでしょうか。