社会人になった時にどうしても気になってしまうのが収入についてですよね。楽しく仕事ができたとしても収入が低くて生活が困難になってしまいたくはないと思います。
無意識に周囲との収入や生活レベルを比較してしまって、一喜一憂したりしますよね。学生時代の親しい友人が優秀な社会人として活躍してる話を聞いて、落ち込んだ経験のある方はいるのではないでしょうか。
今回は年収と幸福度の関係性と役職別平均年収のデータを用いて、収入がいくらあれば幸せなのかについて考えていきます。
年収いくら稼げば幸せになれるのか?
ブリジストン大学の調査によって、世帯年収が7万5000ドル(約631万円)以下の人では収入と「喜び」や「満足感」といった感情は比例するのに対し、7万5000ドルを超えると「稼げば稼ぐほどハッピーになれる」というわけではなくなってしまうことが明らかになりました。
仕事に打ち込んで年収1000万を稼ぐようになっても年収630万円の人より幸福になれないのなら、仕事を頑張る意味がないのではないか? と思ってしまいますが、これはあくまで「日々感じる生活に対する満足感や幸福感」の話であって、自分の人生全体を自己評価したときには、例えば年収12万ドルの人は年収7万5000ドルの人より自己評価が高く、年収16万ドルの人は年収12万ドルの人よりさらに「人生に満足している」と答えるそうです。
日本では2008年の世帯所得の平均は556万2000円、全世帯の中央値は448万円となっているので、中央値との比から計算すると、アメリカでいう年収7万5000ドルというのは日本でいう年収646万円程度となりそうです。
(この文章はギガジンさんの稼げば稼ぐほどハッピーになれるのは年収650万円まで、それ以上だと幸福感は収入に比例しないを参考にさせていただいています。)
つまり、世帯所得が650万円ほどになれば、年収1000万円以上の人達との生活と比べても金額を比較した印象ほど幸福度に差がないということです。
年収650万円は月収54万円
年収650万円は、月収入に換算すると約54万円になります。税金等で10万円、家賃や水道光熱費で15万円ほどとられると考えると毎月約30万円でやり繰りすることになります。
確かに、これだけあれば夫婦生活は困らなそうですが、子供が2人以上できた時には贅沢は難しそうです。
では、どうすれば年収650万円を稼げるのか?
目安として世帯年収650万円は豊かな家庭生活を営む上での指標の一つとして使えそうなので、世帯年収650万円稼ぐには一般的にどうすれば良いのかについて少し見ていきます。
大学新卒者の平均年収を見てみると、だいたい200~230万円前後(平均年収.jpより)なので、いくら実力主義の企業が増えているので成果次第で収入は高くなるとは言っても、若いうちから一人で650万円稼ぐのは難しそうです。
(そういえば、以前お世話になっていた経営者の方が「職業選択で収入が決まる」的なことを口酸っぱく言っていたのを思い出しました。まぁ、ビジネスの世界は業界やビジネスモデルによって忙しさや利益のあげやすさは変わるので当たり前ですが…)
また、世帯所得ということで、夫婦で共働きをすると考えると単純計算でそれぞれが年収325万円(月収27万円)あれば、不満のあまりない生活が送れると考えられます。
- 人間関係に苦労せず楽しくやりがいのある仕事
- 残業がなく、休みをある程度自由にとれる会社
- 育児休暇など福利厚生の整った会社
- 転勤などなく夫婦が一緒に暮らせる範囲の職場
このような環境で共働きができて世帯所得が650万円ほどあったら中々良い生活が送れそうです。逆に、これらの環境が整っていないと、生活を営む上で少し問題が発生しそうです。
世代別の平均年収をみてみましょう
20代の平均年収▼
男女別・年齢別の平均年収▼
女性は未だに育児に専念する傾向にあるからか、女性の平均年収は全世代ともに300万円を割っているのが現状です。
こうやって女性の平均年収を考えると、結婚後にも世帯年収650万円を目指すなら、男性が最低でも年収400万円ほどは欲しい所ですね。となると、30代になってやっと平均年収が400万円を越えるので、家庭を持つとしたら生活が安定するのはだいたい30代になります。
これは同じ30代と言っても成果主義的な社会で結果を出しつつ給与が上がっていけばの話です。
以下の厚生労働省が発表している役職別の平均年収を見る限り、金融系などの高所得帯の業種以外では平社員ではなく係長級以上の役職にならなければ年収400万円は恐らく超えません。(ということは、社会に出るならリーダーシップを身につける必要性が出てくるという話になるのですが、それはまたの機会に。)
統計元:役職、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与及び年間賞与その他特別給与額|厚生労働省 平成24年
社員の給与は、労働市場の相場で大体決まります。どんなスキルと実績があるのかで収入は大きく変わるので、高収入な仕事がしたければ市場価値の高いスキルを身につけて価値ある実績を積んでいきましょう。
これらの数字を追ってみて分かること
- お金と幸せとの間にはある程度の相関関係がある
- 平均以上頑張ればある程度の収入が手に入る
- お金のことはある程度考えて生活した方が良い
- 現実の社会の情報はなるべく多く知っておいた方が良い
といったことなどが分かると思います。直接的に言うならば、このようになります。
- お金はある程度ないと幸福度は下がる
- 遊びばかりで成長しない人の収入は多分低くて生活は苦しくなる
- 家庭ができてからお金のことを考えると取り返しのつかない場合がある
- 情報を知らないと知っている人にいつの間にかコテンパンにされる
年功序列式の雇用体系が変化し、成果主義が一般化しつつあります。その中で何もしないで年収が自然と上がっていくことはありません。また、年収は急に上がることもあまりありません。社会人になりたての時期は特にそうです。
綺麗事という名の理想論や机上の空論や現実逃避では、現実はとても厳しいものに映ると思います。しかし、現実の論理の通った綺麗事ならきっと現実は素晴らしいものに見えるでしょう。どちらを選ぶのかはあなた次第です。
因みに、近年は晩婚化が進んでいますが、平均年収を見てみると30代近くになっての結婚&出産は合理的な気もしてきますね。
年収650万円以上は無理して稼ぐ必要はない
お金はあった方が嬉しいですが、もし収入が650万円以上越えていた場合には、家庭を犠牲にしてまで無理に働いてしまうと相対的に幸福度は下がっていくと考えられます。
ある程度の収入ができたら、お金を稼ぐだけでなくプライベートも考慮して家庭の最大幸福をもたらすという考えも持っておきましょう。
まとめ
資本主義社会で生きるにはお金が必要です。
なので、お金のことについて考えることから一生逃げていくわけにはいきません。今回の「収入の少なさに比例して、幸福度が下がる」データを目の前にしては、「お金はあまりいらない」と考えている人でも「ある程度はあった方が良い」と思うのではないでしょうか。
近年では賃金の二極化が進むと考えられています。収入について心配することなく生活をお金は手段であり、お金で買えるものは限られています。
ぜひ今一度人生においてお金とは何か? 何のために働くのか? について考えてみてください。