自分に適した企業・職種を選ぶ上で必須の自己分析、正しくできていますか?
就活生にとって自己分析は、単に自分自身のことを知るだけではなく、志望動機や自己PR、そして就職希望先の決定などに役立ちます。ところが自己分析は就活生にとって重要であるだけに、間違った自己分析をしてしまうと逆効果になることも。
ここでは間違った自己分析と正しい自己分析、そして具体的な心理テストを用いた自己分析方法について紹介します。
絶対にやってはいけない自己分析
自己分析は、そもそも自分という存在について深く考察して掘り下げていくことです。ところが、この自己分析を間違えると、自己理解には程遠く、就活に有用な自己分析もできなくなるというリスクもあります。
自己分析の中で避けたいのは、以下のようなことです。
1.心を開いていない友人の前で自己分析をする
自己分析を深めていくには、「誰にも知られたくない自分」や「無意識の自分」、そして「隠してきた自分」とも向き合う必要があります。
自己分析にはしばしば心理テストが用いられることがありますが、心理テストも本来はカウンセラーまたはセラピストと1対1で行うことが基本的なルールとなっています。なぜなら、テストをしている場所に他者がいることによって、無意識下にある自分を出せなくなる可能性があるからです。
自己分析をするときには、教室や図書館などで行わないようにしましょう。本当は1人で行うことが望ましいのですが、1人ではできないような自己分析の場合は、心を開いている友人もしくは家族や恋人の手を借りて行うと良いです。
2.会社が求める自分を演出する
あなたが働きたいと思っている会社と、あなたの本質が必ず一致しているとは限りません。
たとえば、あなたの本質は「あまり人と関わらずに、もくもくと単純作業に取り組むのが性に合う」のに、あなたが目指している会社が「一流企業の営業、広報などの人とのかかわりが非常に多い業種・職種」である場合、無理に自分を演出して自己分析を行ってしまうこともあるでしょう。
このギャップは、「給料がいいから」「社会的地位が高いから」というような理由で生じるものですが、このような理由から本来の本質的な性格を捻じ曲げてまで「営業に向いた外向的な性格である」と自己分析をしてしまうと、たとえ内定をもらったとしても退職までは時間の問題かもしれません。
自己分析を間違えると、職業選択を間違える
自己分析の段階で躓いてしまうと「表面的な自己像しか発見できない」「誤った自己像を創出してしまう」ことになります。
こうなると自分に適した企業・職種を判断するための自己分析が逆効果となり、あなたに不向きな企業を主体的に選んでしまうことになりかねません。不向きな企業に就職してしまうと、働く上で非常に大きな弊害をもたらす可能性が高くなります。例えば以下のようなことが起きます。
- 会社の人間関係がうまく築けない
- 働くことへのモチベーションが上がらない
- 精神的に落ち込みやすくなる
- すぐ会社を辞めてしてしまう…
間違った自己分析をするくらいなら、直感で職を選んだ方がマシです。就職後に後悔しないためにも適当に済ませるのではなく、正しい自己分析を心がけましょう。
正しい自己分析のすゝめ
間違った自己分析についてはご紹介しましたが、では、どのような自己分析が「正しい」のでしょうか。心理学的な視点から見た、正しい自己分析についてご紹介します。
1.「良心」はひとまずおいておく
人間の心を“意識”と“無意識”に分類したとき、無意識下にある欲求や密かな感情が意識に上ろうとするのを止めるべきか、そのまま意識に上がらせるべきかを判断する「超自我」という部分があります。
この超自我は、“道徳心”や“良心”からできています。たとえばあなたが自己分析をしているとき「私は中学の頃にいじめをしたことがある」のに、それをまったくなかったことにして、もしかしたら記憶からも追放されているかもしれません。
これは、超自我が「あれは酷いいじめだった。意識してはいけないことだ」と判断して無意識下に押し込めた可能性があります。このように、良心や道徳心は深い自己分析を邪魔することがあります。いじめをしていたのなら、その時どうしていじめてしまったのか、自分の心を洞察することも大切です。
2.大学の友だちに注目しない
青年心理学の研究から明らかになっていることは、青年(特に大学生)は「同年代の他者と比べて自己評価している」ということです。
クラスメイトや他大学の友だちと比べて
- 「あいつはもう就職先を決めているけど、自分は業界すら決まっていないからおしまいだ」
- 「あの子は私より早く自己分析を始めているけど、私は自分が何なのかいまだにわからないから就職浪人するかも」
などのように、自分自身の中に自分を測るものさしを持たずに、他者をものさしにしてしまっているのです。あなたにも心当たりはあるのではないでしょうか?
ライバル心を持って、切磋琢磨することは確かに一般的には望ましいのですが、こと自己分析について考えるときは、同年代の他者と比較せずに、自分自身の過去や自分自身の気持ちの動きをたどっていくことで深く安定した自己分析を行うことができるでしょう。
ポイントとしては、「自分の気持ちに素直になり、他者と比較せず自分と向き合うこと」ですが、そう簡単にはいきませんよね。そこで おすすめなのが【WAI(Who am I)テスト】になります。
実践|WAIテストで無意識下の自分を知る!
就活生の自己分析におすすめなのは【WAIテスト】です。WAIテストは、心理学の文章完成法と呼ばれるタイプの心理検査(心理テスト)で、20答法の一種です。
WAIテストは、「あなたは誰ですか」という質問に「私は〇〇(人)である」という〇〇の部分に自由に回答を20通り記入していくという、シンプルな自己分析法になります。目標を5分とし、書ききれない場合は時間が過ぎても20通り埋めるようにしてください。
WAIテストを体験してみたい!という方は、下記リンクを参照してください。
http://e-kotoba.net/e-top/e-mind/mind01.html
WAIテスト例)
私は、(人懐っこい人)である。
私は、(人を笑わせるのが好きな人)である。
私は、(責任感が強い人)である。
私は、(旅行が好きな人)である。
私は、(冷静に物事を判断できる人)である。
私は、(コミュニケーションが苦手)である。
私は、(寂しがり屋)である。
…
※最初は簡単に思いつきますが、だんだんと難しくなってきます。それでも頑張って埋めるようにしてください。
[su_accordion] [su_spoiler title=”種明かし(WAIテスト実施後にクリック)” style=”fancy”]・1~10までの項目は、誰にでもわかる「あなたのこと」・11~15までの項目は、「意識化された欲求」や「深層心理の自己像」
・16~20までの項目は、「無意識の欲求」「抑圧された悩み」
になります。普段意識していなかった無意識の自己像を発見できたのではないでしょうか?[/su_spoiler] [/su_accordion]
この検査がなぜ就活生の自己分析に適しているのかというと、“自己概念(セルフイメージ)”を無意識にさかのぼって探ることができるからです。
WAIテストでは20通りの自分自身の姿についてイメージすることになります。最初の方の解答では、普段から意識している自分を記述するでしょう。でもそのうちに書くことがなくなってきた時、回答者は自分自身のありのままの姿について思いを巡らせることになります。
意識はほんの氷山の一角であり、人間の心のほとんどは無意識で構成されていると心理学者フロイトが提唱しているのは有名な話でしょう。このため、就活本などで意識しながら書く自己分析よりも、WAIテストはより深く無意識にまで自己分析を掘り下げることができる可能性があるのでぜひ試してみてください。
下記リンク先でWAIテストを体験できます。
http://e-kotoba.net/e-top/e-mind/mind01.html
まとめ
心理学的視点からの自己分析は、おそらく就活講師が教える自己分析とは少し違った角度から行われることがおわかりいただけたでしょうか?
就活講師が教える自己分析の中には、大きな講義室などに集められて、みんな一斉に行うという方法がとられていると思いますが、本当に自分を深く掘り下げたいなら、講義室では不可能です。
今回ご紹介したいくつかの点をふまえて、正しい自己分析を行い、本当の自分を向き合うことで、目指すべき就職先や、相手の心に響く自己PRが書けるようになるでしょう。