就職活動中は自己分析や企業研究、エントリーシートの作成などやらなければならないことが多くありますが、忙しい時間を割いてでもやっておきたいのがOB・OG訪問です。OB・OG訪問とは、志望している企業に就職した大学の先輩に会いに行き、実際に働いている様子や就職活動時の様子など個人的に話を聞くことを指します。
OB・OGの情報は大学のキャリアセンターなどを利用して得ることができ、このOB・OG訪問をするかしないかでほかの学生とは大きく差を付けることができます。
そこで今回は、OB・OG訪問をすることの必要性とメリットを紹介すると共に、しないことでどういうマイナス点があるのかを紹介していきます。
OB・OG訪問をしないとどうなるか
OB・OG訪問をしなかったからといって、特に問題はありません。ですが、企業情報など他の学生と同じレベルのものしか得ることができないので、ライバルたちとの差別化が難しくなります。
また、実際の社員の話を聞かないまま就職をすると、就職をした際に実際に思っていたものと違ったということもあります。やりたい仕事ができなかったり、人間関係に悩んだり、給与に納得ができなかったりなど、新入社員がすぐにやめてしまうきっかけにもなりかねません。
ですので、そういう可能性を少しでも減らすためにも、内定をもらうだけではなく、実際にその企業で長く楽しく勤めるためにもOB・OG訪問はしておいたほうがいいといえます。
就活生に欠かせないOB・OG訪問のメリット7つ
1.企業研究を深めることができる
OB・OG訪問をすると、実際に勤めている人の観点から企業の様子を知ることができます。その企業は何を強みとしているのか、どういう仕事内容なのか、どんな人材、スキルが求められているのか、など生の情報を得ることができます。
こういった情報は企業研究本や企業のウェブサイト、パンフレットでも得ることができますが、それらの情報は他の学生も手に入れることができるので、差別化を図ることができません。
ですので、実際に社員から話を聞くことでより具多的にその企業について知ることができますし、仕事内容からどんなスキルが求められ、自分のどの部分をアピールするのが有効なのかを明確にすることができます。
また、競合他社がいる場合は、面接の際になぜ競合のA社ではなくてうちの会社なのか、という点がよく聞かれます。この質問に対しても、誰でもこたえられるような表面的な明らかな違いを述べるより、一歩踏み込んだ回答ができるようになります。
2.より説得力のある志望理由を作成することができる
OB・OG訪問では、より仕事の内容や企業の様子を具体的に聞くことができるので、その会社でどういう働き方をしたいのか、何を目指したいのかを明確にすることができます。
志望理由として、企業理念に共感した、この事業内容に興味がある、ということをあげる学生が多くいますが、それではあまりに抽象的過ぎて志望理由として弱くなってしまいます。
ですが、OB・OGからより具体的な話を聞き、こういうプロジェクトに携わりたい、その企業のこういった社内風土、働き方に興味を持ったなど、より実務や実際の社内環境などに基づいた志望理由を作成することができ、その企業で働きたい、という意思を明確に伝えることができます。
また、単に志望理由を作成するだけでなく、自分自身の中でもどうしてその企業に就職したいのか、という点がより明確になるはずです。
3.実際の働いている様子を聞くことができる
企業のウェブサイトや企業説明会などで社員の働いている様子を聞くことができますが、そういった場では企業にとってプラスになる情報しか得ることができません。しかし、実際に就職するのであれば、企業のプラスの面だけではなくマイナス面にも目を向けることが重要です。
人事などを通さないOB・OG訪問では、実際に働いている様子を赤裸々に聞くことができます。特に同じ大学の先輩であれば、親身になって多くの情報を提供してくれるはずです。
仕事のやりがいは何なのか、つらいことはないか、その企業に就職してよかったと思っているか、など実際に社員がその企業に対してどう感じているかを聞くことが重要です。
そして、先輩社員によっては、給与、昇給、ボーナスなどお金に関することも教えてくれることがあります。また、人間関係や福利厚生などを聞くのも重要です。こういった情報は実際に働くうえでは非常に重要ですが、公式の場ではなかなか聞くことはできません。
ですので、OB・OG訪問をうまく利用して、マイナス面を含めて、その企業の“実情”を聞くことが重要です。
4.エントリーシートを添削してもらうことができる
エントリーシートは、一度作成したら実際に働いている社員に添削をしてもらうことで大きく改善します。自分のアピールしているスキルが実際には実務ではあまり役に立たなかったり、会社の求める人材像と一致していないこともあります。
そういうギャップを埋めるためにも、OB・OGにエントリーシートを添削してもらうことは非常に有効であるといえます。「これなら人事のAさんや社長にもウケそうだよ」といったお墨付きをもらえたら、少し自信が持てますね。
しかし、OB・OGも社会人で多忙ですので、そこまで学生のために時間を取れないこともあります。ですので、エントリーシートの添削を依頼する際は、相手の都合も考えつつお願いするかどうかを判断する必要があります。また、添削を依頼する際は、提出期限のぎりぎりになって相手を催促することのないようスケジュール管理もしっかりと行うことがマナーです。
5.就職活動時の話を聞くことができる
訪問したOB・OGが入社後2.3年の新入社員であれば、その企業の選考の様子を聞くことができます。選考内容にはどういうものがあったのか、どういう質問をされたのかを聞くことで、あらかじめ面接対策などをしておくことができます。
また、面接時に気を付けることなど、その企業が面接時に何を重視しているかを聞くことも大切です。
6.面接時に志望度の高さを伝えることができる
面接の際に、OB・OG訪問をしたかを問われることがあります。OB・OG訪問とは手間のかかることですし、自分でOB・OGを探してコンタクトをとらなければいけないので、本当に志望度の高い企業にしかしないことです。
そのため、OB・OG訪問をしたと回答することで、その企業への志望度の高さを伝えることができます。
そして、多くの学生はOB・OG訪問をしていないことがほとんどですので、そういったライバルとも差を付けることが可能になります。
面接の際の志望理由などで、先輩社員の〇〇から話を聞いて興味を持った、などあえてOB・OG訪問をしたことを伝えるのも賢い方法です。
7.就職後もつながりを維持することができる
OB・OG訪問をした後にその企業から内定をもらうことができたら、もちろんその先輩社員への報告も必須です。このように就職前にあらかじめ先輩社員と関係を築いておくと、就職後も気にかけてくれることが多く、会社にもなじみやすくなります。
OB・OG訪問でできた繋がりは、就活時だけではなく、就職後にも役立ちます。OB・OG訪問した先輩の社員が重要な役職に就いた場合、信頼関係が保たれていれば、昇級や昇格もしやすくなります。
目先の就職だけではなく、中長期的にもメリットがあるのです。
いかがでしたでしょうか?
OB・OG訪問を手間も時間もかかるので、やらなくてもいいならやりたくない、というのが学生の本音だと思います。しかし、OB・OG訪問をすることで得られるメリットは多くありますし、実際にその企業に就職をすることを現実的にとらえるたえにも社員の話を聞くことが肝心です。
OB・OG訪問をすれば、内定にも一気につながりますし、本当にその企業で働けるのか、働きたいのか、という自分自身を見つめるいいきっかけにもなります。
ですので、忙しい就職活動期間中であっても、うまくスケジュール管理をし、OB・OG訪問をするようにしましょう。