一部の就活エリートは就活解禁日以前に内定先が決まります。しかも、自分から就活することなく、企業側から「うちで働いてくれませんか?」とオファーがきます。
とはいえ、ほとんどの学生は就活に苦労しますよね。卒論よりも就活の方が大変だったという話はよく聞きます。
現行の就活システムは問題だらけで、泥沼にハマってしまうと一向に内定がもらえない状況に陥ることになります。では、どのような問題があるのでしょうか?
この記事の目次
目的を持たない学生たち
目的は行動の基準となるものです。目的がなければ、自分が何をすべきかを判断することができません。
にも関わらず、目的を持たずに4年間の学生生活を過ごす学生たちは非常に多いです。「将来やりたいことがない」のは分かりますが、「何もやらない」の理由にはなりません。
バイトやサークル活動は楽しいかもしれませんが、そのほとんどは社会に出てからは大して役に立ちません。バイトやサークル活動ならまだ良いものの、スマホゲームや友達とのLINE会話、飲み会などは、なおさら無意味です。
(やることをやった上で娯楽に走るのは良いとして、何もせず娯楽ばかりの生活は良くないですよね。)
こうした目的を持たない学生文化は、惰性的な就活文化に結びついていきます。
量産型就活生の誕生
就活になると、ヤンチャしていた学生たちも途端に髪を黒く染めてスーツを着るようになります。そして、巷に溢れる就活本やネットの就活記事を鵜呑みにして、形式的な格好に気を使う量産型の就活生が大量発生します。
なぜ彼らがフォーマルな姿に拘るのかというと、同じであることによって安心したいからに他なりません。特に髪をポニーテールにまとめた女性の就活生は、正直どれも見分けがつかないくらいです。
他者から見たら大した差のない量産型であるということは、一人一人には価値がないということです。
彼らは安心や安定を求めるあまり、就職自体を目的化してしまい、自らの価値を安売りしてしまっています。
ありきたりな自己PR
目的を持たない学生生活を過ごし、形式に拘った量産型就活生の面接では、ありきたりな自己PR合戦が繰り広げられます。
「サークルでチームワークの大切さを学びました」「学生団体を作っていくつものイベントを成功させました」「バイトを頑張ってお店の売り上げに貢献しました」…
このような自己PRでは、よほど人材不足な企業でない限り、就職するのは困難でしょう。
企業ごとに求める人材は異なるのは分かると思いますが、自己PRに求められるのは専門性と経験の深さです。
旅行業界では大学で専門に勉強して旅行業界に詳しく、旅好きで全国各地を巡り、地域の特色や世界の特色を知り尽くした学生が好かれるのは分かると思います。逆に、旅行経験が少なく、バイトやサークルを頑張っていただけの学生は残念ながら選考落ちとなります。
理屈では分かっても、専門性があり経験の深さのある(準備をしてきた)学生は少数であるため、みな一様の自己PRをしてしまうのです。
気持ち悪い就活塾
就活に苦戦する学生の選択肢として就活塾が存在します。就活塾では、就活コンサルタントなどと名乗る講師がESの書き方からグループワーク、面接に到るまでこと細かに指導してくれます。
彼らにとっての正しさは内定するかどうか(内定率)であり、必ずしも就活生が希望した企業に就職することではありません。また、そもそも語る経験のない学生をサポートして就職を後押しするため、形式に非常に拘ります。
「マナーをしっかりしましょう」「もっとハキハキ話してください」「背筋を伸ばさないと」「抽象的な話ではなく、具体的なストーリーを」…
こうして出来上がった就活生は、企業からすれば継ぎ接ぎだらけの外れくじです。だって、困ったら自分で考えるのをやめて他人に頼ってしまうのですから。
就活塾の費用は数十万円かかると思いますが、そのお金を自分に不足している経験に費やした方が有益だと思いませんか?
ブラック企業を紹介する就活エージェント
就活生自身は知り得ませんが、就活市場は巨大なマーケットであり、大きなお金が動きます。例えば、マイナビやリクナビに掲載するだけでも100万円程度かかったりするので、掲載企業数を考えればその大きさが分かるのではないでしょうか。
企業にもよりますが、就活生を一人採用するのに対して数十万円から数百万円のコストをかけているものです。
そんな中、人気のないブラック企業と就活難民を繋げて稼いでいる就活業者も存在しています。
就活難民にとっては内定が一つのゴールなわけですから、例えブラック企業に見えたとしても内定欲しさにエージェントからの提案を受け入れてしまうことになります。
親や友人に内定が取れたと伝えることができて一時的には良いかもしれませんが、就職後の生活を考えた時に自分のやりたい方向性とは全然違うことになってしまいます。
オワコン化している就活の仕組み
そもそも「大学を卒業して就職する」という仕組み自体がオワコン化しつつあります。
企業への就職は、単に企業と労働契約を結ぶということであり、大学を卒業してすぐ就職しなければならないわけではありません。
当たり前のように思うかもしれませんが、ほとんどの大学生が大学3年になったら就活の準備を始め、大学4年で就職がなかなか決まらないと鬱になるほど悩む学生が出てきます。
これは大学を卒業したら企業に就職して働かなければならないといった思い込みであり、企業の寿命が縮まっている状況や就職してもすぐ辞めていってしまう新卒生の現状を考えれば、鬱になる必要なんてないですよね。
採用する側の立場になってみれば分かると思いますが、企業は会社にとって有益な人材を雇いたいわけで、大学生を雇いたいのではありません。また、必ずしも就活時期に就活生のみに内定を出すというわけでもありません。
正社員としての内定がダメでも、バイトやインターンから始めても良いですし、別の環境で経験を積んでから就職しても良いと思いませんか?
今ではネット環境が整っていて、いつでもどこでも求人が見れますし、企業のホームページから直接電話やメールで連絡してみることもできますよね。新卒に拘る必要はないのです。
3年以内に辞めていく就活生
就職しても3割超の新卒社会人が3年以内に退職していきます。中には、出社当日に「これが毎日続くなんて考えられない」と退職届を出す猛者すらいます。
彼らは間違っているのでしょうか?
就職することを決めたのは自分なのだから続けるべき、内定先の社内状況は事前に調べておきべきといった主張は正しいと思います。ですが、企業と就活生のミスマッチを生んでいる環境にも問題はあります。
目的なく学生生活を送ってきた就活生と、大学を卒業したら就職しなければならないという風潮があるため、無理して内定先を決めてしまっている就活生も多いのではないかと思います。
採用コストが一人当たり数十万〜数百万かかるので、企業と学生のミスマッチは両者にとって小さくはない損害が発生します。
学生も企業も歩み寄ることが大切ですね。
企業は老害の巣窟だ
優秀な上司から仕事のノウハウを学べる職場も存在しますが、かなりの確率で仕事ができないくせに威張っている老害に出くわします。特に昔ながらの企業には要注意です。
少し前までは終身雇用、年功序列といった日本的経営が好まれたため、会社に長く勤めているというだけで待遇が良くなっていました。
そのツケは誰に回っているのかというと、若い社員たちです。若い社員たちはいくら成果を出しても、給与は中々上がらないことが多いです。これではやる気が出なくて当然ですよね。
また、マウンティングによって自己肯定感を得ようとしている老害も多く、精神的に追い詰められることもあります。社会に出たは良いものの、鬱になって仕事ができなくなる人が大勢います。
その元凶が老害による搾取と圧力です。成長の方向性を間違えた人たちに学ぶべきことはあまりありません。
まとめ
問題を認識し、解決策を考えよう
就活をする上で、こうした問題点については早めに知っておくのが得策です。なぜなら、その分早く行動に移せるから。
「問題があるからダメだ」ではなく、「どう行動すれば問題を回避できるのか」「より良い方法はないのか」と考えるべきです。
例えば、あなたが「企業に就職したら老害との付き合いが大変そう、社会人生活続かなそうだな」と思っていたとします。
であれば、学生のうちにインターンシップで長期間会社の中で働いてみたり、社員の平均年齢が低い会社を選ぶなどの打開策を思いつくはずです。
問題を無視してしまうと、問題が起きてから対処することになり、その間にまた新たな問題が発生して…と後手後手に回ることもあるので気をつけましょう。
本記事を読めば、就職活動を行う上で知っておきたい、学生・企業・仕組みの問題点が分かります。今後の学生生活はもちろん、就活時にきっと役立ちます。