大学生の海外留学事情|統計データから読み取る日本人学生の動向

大学生の留学事情

グローバル化が騒がれている昨今。留学したいと考える大学生は増えてきています。

ですが、「留学に必要なお金を用意するのが難しい」という学生も多いのではないでしょうか。

今回は、様々な統計データから留学に対する意識や留学率など、大学生の留学事情について探っていきます。

この記事を読んで分かること
  • 日本人学生の留学状況
  • 留学についてみんなどう思ってるの?
  • 留学で得られるものって何?

大学生の留学状況について

日本人学生の留学率は他のOECD諸国最低レベル

日本人学生の留学率

割合
日本人学生の留学率1.2%

参考:日本の学生は内向きか?―日本人学生はどこにどれぐらい留学しているのか?|RED NOTE

2012年のデータなので若干古いですが、日本人学生の留学率はOECD諸国の最低レベルです。アメリカ合衆国の学生は留学する意味があまりなく州の移動が国を移動するようなものなので論外とすると、日本はOECD諸国最低です。

日本は島国かつ言語が孤立しているので、留学するハードルが高いようです。

日本人の留学者数は短期留学を中心に増加傾向にある

2014年度の留学期間別留学者数

期間留学者数
1か月未満48,853名(前年比+8,326)
1か月以上~3か月未満8,418名(前年比+803)
3か月以上~6か月未満8,670名(前年比+1,345)
6か月以上~1年未満13,198名(前年比+748)
1年以上1,650人(前年比-63)
不明430名(前年比+191)
合計81,219名(前年比+11,350)

参考:「日本人の海外留学者数」及び「外国人留学生在籍状況調査」等について|文部科学省

留学する大学生は近年上昇傾向にあり、その大部分が1ヶ月未満の短期留学となっています。低コスト帯の短期留学サービスが台頭してきたことで、留学が身近になってきているようです。

安い業者だと1週間10万円を切るようなプランもあるので、お金のない学生でも少しバイトを頑張れば留学できます。

留学先の半数以上はアメリカ合衆国

みんなどこに留学しているの?

順位国名(割合)
1位アメリカ(57.1%)
2位イギリス(8.9%)
3位オーストラリア(5.7%)
4位カナダ(4.9%)
4位ドイツ(4.9%)

参考:日本の学生は内向きか?―日本人学生はどこにどれぐらい留学しているのか?|RED NOTE

留学はアメリカに行く学生が多いようです。アメリカは人種のるつぼと習ったように、世界中から学生も集まるので多様な国の人とコミュニケーションがとれると考えているのではないかと思います。

※アメリカ留学とは言っても留学先によって全然環境が違うので、その辺は見極める必要があります。

大学入学後に海外に行く大学生は5人に2人

大学入学後に海外に行ったことのある学生の割合

年代割合
大学1年生9.1%
大学2年生27.4%
大学3年生34.1%
大学4年生42.1%

参考:「2014年大学生の意識調査」概要報告|全国大学生活協同組合連合会

意外にも大学期間中に海外に行く学生は5割に満たないようです。海外は、近場であればトータル10万円未満で旅行を楽しめますが、実際に行くまでに見えないハードルがあるようです。

パスポートの取得に1万円以上かかるので、そうした手続きの面倒さが影響しているのかもしれません。

大学生の留学に関する意識調査

英語の必要性は共通認識であり、海外への関心は高い

グローバル化への意識

グローバル化への意識割合
今後は英語がより必要とされる社会になると思う91.1%
長期休みに海外旅行してみたい70.3%
機会があれば、留学をしてみたい67.6%
英語以外の外国語を習得したい58.0%
将来は海外で仕事をしてみたい34.8%

参考:「2014年大学生の意識調査」概要報告|全国大学生活協同組合連合会

海外で仕事をしてみたいと考える学生も3人に1人ほど存在し、グローバル化に対する意識はさほど低くないと感じます。社会としては、海外志向の学生をサポートしてあげて行動に移しやすい環境を整えていくことが大切ですね。

海外で働くために留学する大学生は3人に1人

留学経験者に聞いた!留学した理由は何?

順位留学理由(割合)
1位語学力の向上(79%)
2位海外旅行がしたかったから(46%)
3位海外で働くため(35%)
4位友人や家族、教授に勧められたから(30%)

参考:留学経験のある学生は留学経験のない学生よりも将来を楽観視している|BRITISH COUNCIL

留学では、現地での人との触れ合いによって得られるものもたくさんありますが、理由としては語学力の向上が多いようです。

「留学しても語学力がさほど向上しない」と言う人もいますが、留学生の実感値では5人に4人が語学の上達を感じています。

留学を経験すると視野が広がる

留学で得られたものって何?

順位留学で得られたもの(割合)
1位視野が広がった(54.0%)
2位語学力(33.1%)
3位国際感覚・異文化(31.8%)
4位友人(29.3%)
5位価値観・考え方(24.0%)
6位コミュニケーション力(16.0%)
7位自身・度胸(15.0%)
8位積極性(13.2%)

参考:海外留学経験者の追跡調査(平成23年度)結果の概要|海外留学支援サイト

海外に行ってみると今までの常識がなかなか通用しないことに気がつけます。そこでの気づきや交流によって成長することができます。留学に行くと「世界のどこでも生活できる」という、根拠のない自信が生まれてきます。

ストレス社会を生き抜くには、楽観的に人生を捉える力も大事なので、良い経験ができているのではないでしょうか。

留学する上で最大の問題となるのは費用面

大学生の留学を阻害している要因

順位留学阻害要因(割合)
1位留学にかかる費用が高く負担が大きかった(68.0%)
2位留学に必要な語学力が不足していた(39.8%)
3位家庭の事情(費用負担以外の事情)(31.6%)
4位(奨学金以外の)資金を工面する方法が見つからなかった(30.6%)
5位奨学金を得るためのハードルが高かった(20.9%)

参考:留学に関するアンケート調査|Benesse

留学で不安なのはやはりお金について。長期で行けばそれなりにお金がかかりますから、既に奨学金で大学に通っている学生なんかは留学まで手が出しづらいはずです。

留学は将来きっと役に立つ

どちらかというと、留学経験は今後(も)役立つと思われますか。

留学経験は役立つか割合
はい93.1%
いいえ6.9%

参考:海外留学経験者の追跡調査(平成23年度)結果の概要|海外留学支援サイト

留学をした人のほとんどは留学経験が今後も役立つと考えているようです。大学期間を逃してしまうと留学に行く機会はほとんどないので、行けるのであれば大学生のうちに挑戦してみた方が良いかもしれません。

補足:海外留学は甘え!?

因みに、留学に対してホリエモンは反対派です。その理由はこんな感じ。

  • 留学して偉そうにしてる奴が気に食わない(留学は偉いことではない)
  • 日本にいながらでも留学以上の経験ができる(留学はコスパが悪い)

ホリエモンはそもそも大学すらいらないと様々な問題提起をされているので、こうした意見もぜひ参考にしておきたいですね。

まとめ

金銭的に余裕があるなら、留学に行った方が良い

学生の意識割合
英語の必要性を感じている91.1%
留学経験が役立つ93%

91.1%の学生が英語の必要性を感じ(グローバル化を意識している)、留学経験者の93%が留学経験が役に立つと回答しています。

もし経済的に恵まれていてどうしてもやりたいことがないのであれば、留学してみると新しい発見があるかもしれません。

視野が広がって語学力・国際感覚・コミュニケーション能力が向上して、就活ネタにもなります。奨学金で留学する学生が少数だとすると、留学は経済的に余裕のある学生の特権に近いのではないかと思います。

大学生のうちに海外は経験しておいた方が良い

グローバル化の時代にも関わらず、大学生期間に海外を経験する学生は半数に満たないようです。飲み会などで浪費する学生であれば、少し節約するだけで海外旅行のお金は溜まるはずです。

留学でなくとも海外旅行などで日本を飛び出してみると新たな発見があるはずです。

できれば長期留学が好ましい

近年は短期留学ブームですが、もしどこでも通用する語学力を身につけたいのであれば、1ヶ月未満の短期では不可能に近いです。できれば長期留学で海外生活に慣れていくのが良いでしょう。

多くの大学では単位交換制度で長期留学で大学の単位もとれます。

行けなくても何とかなる

例えば、「海外で仕事がしたいけど経済的理由で留学できないから人生終わりだ」ということがないように、留学・海外旅行ができなくても選択肢は無数に存在します。

留学に関してはむしろ金銭的な問題等で行けない学生が圧倒的多数派なので、落ち込まずに自分なりの道を模索してみてください。

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