企業選びで就活生の意見が分かれるのが、「大手企業が良いか?」それとも「中小企業か?」というものです。
最近の若者は安定志向であると言われることがありますが、反対に終身雇用制度が崩壊し上場企業に就職したとしても安定などあり得ないという見方も広まっています。
そんな中、大学生は大手企業と中小企業のどちらに就職したいと考えているのでしょうか。
今回は、株式会社マイナビの『2017年卒マイナビ大学生就職意識調査』を参考に、2016年度卒の学生が大手と中小のどちらを志望していたのかを見ていきます。
- 大手企業・中小企業を志望している就活生はどれくらい?
- 大手企業・中小企業のメリットやデメリットは何?
あなたは大手企業派?それとも中小企業派?
大手志望の学生:42.9%
絶対大手企業がよいと考える学生は6.9%、自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよいと考える学生が36.0%と合わせて42.9%の学生が大手を志望しています。
中には「一生働けるような大手企業に就職したい」といった受動的な考えの人もいれば、「大企業で大きな仕事を成し遂げたい」と意識の高い学生もいます。
どちらでも良い学生:42.6%
やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよいと考える学生が42.6%います。こうした学生は、どのような企業に就職するかよりも、どんな仕事を任せてもらえるかを重要視しています。確かに、大手企業に就職できたとしても、やりたい仕事でなければ嫌ですよね。
中堅・中小企業志望の学生:9.9%
中堅・中小企業がよいと考える学生は意外にも9.9%しかいません。安定志向の学生が多く企業のブランド力を求めていることが良くわかります。
その他:4.7%
因みに、公務員・Uターン脂志望などを志望する学生が4.2%、独立志望の学生が0.5%存在します。
大手企業・中小企業の良し悪し
大手企業を志望する学生が多く、中小企業を志望する学生は少ないことが分かりました。ただ、大手企業と中小企業のメリットやデメリットはきちんと比較できているでしょうか。
確かに大手企業の方がメリットのあるように見えますが、中小企業にも大きなメリットが存在します。それぞれみていきましょう。
大手企業のメリット
- 安定している
- ブランド力がある
- 仕事の規模が大きい
- 周囲に優秀な人材が多い
- 同期の仲間が多い
- 残業代やボーナスがしっかり出る
- 平均年収が高い
- 労働環境が整っている
- 他の会社に転職しやすい
- 退職金が多い
- 有給休暇がとりやすい会社が多い
- 福利厚生がしっかりしている
- 終身雇用を維持している会社が多い
- 異性にモテる
大手企業のデメリット
- 転勤がある
- 狭い分野でのスキルしか身につかない
- 決定権、裁量権が少ない
- 出世競争に巻き込まれる
- 最初は下積みから始まる
- 成果が給与に直結しない
- 給与はなかなか上がらない
- 大企業でも安定ではない時代
- 出世まで時間がかかる
中小企業のメリット
- 広い分野で仕事ができる
- 裁量が大きい
- ライバルが少ない
- 自分の頑張りが、業績 ・給与に直結する
- 経営に近い位置で仕事を学べる
- 成果主義を取り入れている会社が多い
- 自分のやりたい仕事ができる
- 会社の成長を実感できる
- 自分のアイデアを実現しやすい
中小企業のデメリット
- 平均年収が低い傾向にある
- 福利厚生が整っていない場合が多い
- 労働環境が悪い(サービス残業等が普通に存在する)
- 安定していない
大手企業は様々な制度が整っていて魅力的ですが、多くの従業員を抱えており新入社員は下積みの仕事から任せられることが多いです。その反面、中小企業なら最初から経営者とともに重要な仕事に取り組んでいくこともできます。
今はテクノロジーが世の中を大きく動かしている時代です。個人的には、IoTや人工知能、ビッグデータ解析関連の事業を展開している中小ベンチャーがおすすめです。
大企業と中小企業のどちらを選ぶ?
それぞれメリットとデメリットが存在し、一概にどちらが良いというのは言えません。大企業と中小企業のどちらを志望するかは自分次第です。
ただ、中小企業にも魅力的な企業が数多く存在しており、その存在を知らずに何となくで大手企業を志望するのはもったいないと考えます。
日本には400万社以上の企業が存在し、そのうち99.7%が中小企業ですから、魅力的な企業がない方がおかしいですよね。
大手企業に就職したところで、必ずしも安定というわけではありません。企業に安定を求めるのではなく、どこでもやっていけるような能力を身につけるという視点で考えることをおすすめします。
大手企業(大企業)と中小企業の定義
ここまで大手企業と中小企業の良し悪しについて説明してきましたが、そもそも大手企業と中小企業がどのようなものか知らない学生もいると思うので、補足しておきます。
大(大企業)企業とは?
『資本金の額又は出資の総額が3億円を越え、かつ常時使用する従業員の数が300人を越える会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く)に属する事業を主たる事業として営むもの
資本金の額又は出資の総額が1億円を越え、かつ常時使用する従業員の数が100人を越える会社及び個人であつて、卸売業に属する事業を主たる事業として営むもの
資本金の額又は出資の総額が5000万円を越え、かつ常時使用する従業員の数が100人を越える会社及び個人であつて、サービス行に属する事業を主たる事業として営むもの
資本金の額又は出資の総額が5000万円を越え、かつ常時使用する従業員の数が50人を越える会社及び個人であつて、小売業に属する事業を主たる事業として営むもの』大企業と中小企業の定義や平均年収、企業数の違い
※中小企業以外を大企業としているようです。
中小企業とは?
『資本の額(資本金)又は出資の総額が3億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く)に属する事業を主たる事業として営むもの
資本の額又は出資の総額が1億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であつて、卸売業に属する事業を主たる事業として営むもの
資本の額又は出資の総額が5000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であつて、サービス業に属する事業を主たる事業として営むもの
資本の額又は出資の総額が5000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人であつて、小売業に属する事業を主たる事業として営むもの』大企業と中小企業の定義や平均年収、企業数の違い
※法律や制度によって大企業。中小企業として扱われている範囲が異なります。
このような定義は法制度上のもので面倒なので、
- 従業員数が500名以上は大企業
- 従業員数が500名未満は中小企業
であるなど適当に定義したり、実感値として振り分けるのでも良いと思います。(知らなくても就活には何の影響もないですが、大企業・中小企業という言葉は良く聞くと思うので、頭の片隅にでも入れておいてください。)
まとめ
大手企業・中小企業ともにメリット・デメリットが存在します。どの企業で働きたいかを見かけのブランド力で考えていくのではなく、どのような業務をしているのかという中身を見ていくべきでしょう。
また、中にいる人たちがどのような人たちなのかも非常に重要です。古い体質の大手企業は名ばかりの上司がたくさんいて、イライラすることもあるでしょう。
最終的には運の要素もありますが、そうならないよう事前に対策できることもあります。どのような企業に就職するかはその後の社会人生活に多大な影響を及ぼすので、じっくり考えましょう。