大学生のみなさん、インターンシップをご存知でしょうか。
『インターンシップとは、学生が企業で一定期間実務(またはそれに準ずるもの)を体験するもの』JEEK
アルバイトをする学生は多くても企業でインターンシップに参加する学生はまだまだ少ないですが、今後さらに増えてくると考えられています。
今回はこのインターンシップについて、大学生の現状について各種データを参考に色々みていきます。
この記事の目次
インターンシップに参加している大学生は3人に1人
就職活動の参加率(16年3月調査)
- 1位:企業へのエントリー(64.7%・平均33.8社)
- 2位:単独の企業説明会への参加(60.3%・平均16.5社)
- 3位:就職情報サイト(ナビ)への登録(56.9%)
- 4位:合同企業説明会への参加(53.0%・平均4.6社)
- 5位:学内の合同企業説明会への参加(46.6%・平均4.9社)
- 6位:インターンシップ(37.1%・平均2.9社)
- 7位:会社訪問(18.5%・平均6.4社)
- 8位:OB・OG訪問(14.6%・平均2.5社)
不特定多数が気軽に参加するサイト登録や説明会への出席などの割合は高いが、手間のかかる企業・OB/OG訪問などの割合は低い。「みんなで参加しよう」というイベントに就活生がこぞって集まっている感があります。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
インターンシップはさらに普及していく
大学生が新卒で企業に入社する際に問題となるのが企業と学生とのミスマッチです。企業の内情を知らずに入社すると「あれ、何だか思っていたのと違う」と思って辞めてしまう人も多いのです。
企業からしても、せっかく雇った人材が「思ってたよりも、仕事できないな」とか「優秀なやつだったのに、すぐに辞められてしまった」なんてこともあります。
そこでインターンシップを取り入れて実務を通じて企業との相性を見極めれば、企業と学生のミスマッチは減少すると考えられています。(ただ、多くの学生は見れないしインターンシップをして他の会社に行ってしまう学生も多い)
現在は3人に1人程度の学生がインターンシップに参加しているようですが、今後はさらに普及していくでしょう。学生にとってみれば、実務型のインターンシップはお金ももらえるので、就活しつつお金も手に入ります。
インターンシップは夏休みの参加者が最多
インターンシップ参加時期(16年3月調査)
- 1位:7〜9月
- 2位:1月〜3月
- 3位:11月〜1月
割合は控えますが、3年生が就活目的でインターンシップに参加する割合が圧倒的に多く、時期としては各学年同様に夏休みにインターンシップの参加が集中し、その次に春休みに集中します。長期休業期間の2ヶ月ほど前から参加者は増え始め、学業とのバランスをとりながらインターンシップへの参加を考えているようです。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
インターンシップ先は長期休暇前に決める
夏休みに短期でアルバイトを初めてお小遣いを稼ぐ学生は多いと思いますが、であればインターンシップで社会経験も積みつつお金を稼げば得られるものが多いはずです。
人気のインターンシップはすぐに募集が終わってしまうので、インターンシップ先は長期休暇前に必ず決めておくようにしましょう。例えば、『インターン!』という映画の元になったワークスアプリケーションズのインターンシップは非常に人気です。(僕は選考落ちましたw)
短期インターンシップに参加する学生が多い
参加したインターンシップの期間(16年3月調査)
- 1日:49.3%
- 2日:18.7%
- 3日以上1週間未満:40.4%
- 1週間以上2週間未満:17.2%
- 2週間以上1ヶ月未満:7.9%
- 1ヶ月以上3ヶ月未満:3.4%
- 3ヶ月以上:1.0%
インターンシップに参加する学生が増えていると言われていますが、1週間未満のインターンシップがほとんどで3ヶ月以上の長期インターンシップに参加する就活生はかなり少ないです。実務をこなすというよりも仕事体験をする感じのインターンシップを経験しているようですね。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
インターンシップするなら長期がおすすめ
1週間未満の短期インターンシップの内容は、基本的に企業のセミナーや仕事見学、あと簡単なワークショップです。何もしないよりは良いと思いますが、できれば長期インターンシップの方がおすすめです。
その理由は、やはり得られる経験の質と量です。長期インターンシップでは社員と一緒に実務を通じて成果を出していくことが求められます。1週間しかいない学生には大事な仕事を任せられるはずはなく、何ヶ月もいてくれる学生には正社員と同程度の裁量で大事な仕事を任せてもらえることも良くあります。
ビジネスでは成果が出せなければ雇う意味がありませんから、この成果を出していくプロセスを学んでおくことは社会人になってから絶対に役に立ちます。
インターンシップ情報はWebから収集されている
インターンシップ情報の入手先(16年3月調査)
- キャリアセンター:37.9%
- インターンシップ情報サイト:47.8%
- 企業のホームページ:39.9%
- 友人、先輩から:13.3%
- 新卒応援ハローワーク:1.5%
- その他:6.4%
近年のインターンシップの普及は、意外とキャリアセンターが大きな役割を果たしているのかもしれませんね。あとは、情報サイトや企業ホームページからインターンシップ情報を収集しているようです。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
インターンシップ情報を得られる求人サイト
インターンシップの求人サイトとしては『キャリアバイト』が有名な気がしますが、他にも業界に特化したインターン求人サイトがあり、フロッグ『インターンシップ求人サイト34選!』にまとめられています。
ぜひ参考にしてみてください。
インターンシップの内容は様々
参加したインターンシップの内容(16年3月調査)
- 企業見学、職場見学、工場見学:57.1%
- 実際の仕事体験:56.2%
- 社長、人事、社員の講義・セミナー:40.4%
- グループワーク:60.6%
- 社員との交流、懇親会:45.3%
- その他:1.5%
インターンシップの実態は、実際に仕事をするのではなく、企業見学や簡易ワークショップ、交流会といったまがいものも多いです。インターンシップという言葉に惑わされずに内容を見定めていくことが大切です。。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
インターンに参加することは、企業説明会の10倍良い
企業説明会で何が話されるのかというと、どこも「うちの企業はこんなことやってます。こんな職場です。こんな学生さんを募集しています。興味があればエントリーしてください。」という内容です。
最初のうちは「わぁ、すごいなぁ」と思うかもしれませんが、実際に働いてみないと内情は分かりません。企業説明会に参加するのも良いですが、興味のある企業がもしインターンシップを募集していたら、参加してみることをおすすめします。
仕事や業界に対する具体的な知見を得られるのがインターンシップの魅力
インターンシップに参加して良かったと思う点
- 1位:仕事内容を具体的に知ることができた(66.1%)
- 2位:業種について具体的に知ることができた(62.3%)
- 3位:企業・職場の雰囲気を知ることができた(33.8%)
- 4位:企業の事業内容を具体的に知ることができた(32.4%)
- 5位:自分のスキルを見極めることができた(17.3%)
- 6位:自分のキャリア勧を明らかにすることができた(14.9%)
- 7位:他の就職活動中の学生との人脈を作れた(14.1%)
- 8位:インターンシップに参加した企業から内定取得できた(10.0%)
- 9位:社会人との人脈を作れた(8.5%)
- その他(1.6%)
- 特にない(6.6%)
業界や仕事内容などを知らない場合には、インターンシップは具体的な知見が得られて非常に役立ちます。学生のほとんどは社会経験がないですから、実社会で働く上での模擬演習となり得ます。
株式会社インテージ『2016年卒(大学生・大学院生)の就職活動振り返り調査』
具体的に自分が働く姿をイメージできる
インターンシップに参加する大きな意義は、「自分がこの会社で働く姿を明確にイメージできる」ことです。企業の説明を聞いただけでは単なる妄想でしかないですが、インターンシップに参加することでそれが現実的なものになります。
未参加者の3人に1人はインターンシップに魅力を感じていない
インターンシップに参加しなかった理由
- 1位:内容に魅力を感じなかった(37.1%)
- 2位:学業など、他の活動で忙しかった(25.1%)
- 3位:採用選考上有利になると思わなかった(19.4%)
- 4位:応募することを面倒に感じた(17.1%)
- 5位:実施時期や時間が、自分の予定と合わなかった(14.8%)
- 6位:志望企業がインターンシップを実施していなかった(12.4%)
- 7位:インターンシップ自体を知らなかった(7.3%)
- 8位:参加したかったインターンシップの選考に落ちた(6.3%)
参加しなかった学生の半数は魅力を感じていない、学業などの都合で「参加できなかった」学生も多いです。インターンシップの内容は企業によって様々です。色んな企業のインターンシップを比較してみてください。
株式会社インテージ『2016年卒(大学生・大学院生)の就職活動振り返り調査』
時間があるならインターンシップに参加してみたら?
大学生の中には、学業とアルバイトなどで平日の予定が埋まっていてンターンシップに参加しない学生もいます。ですが、もしインターンシップに参加できる時間があるなら、一度参加してみることをおすすめします。
新卒で企業に就職したら、他の企業で働くことはできませんよね? インターンシップでは、企業で働く経験を複数の会社で積むことができます。
インターンシップは就活に有利!?
近年の傾向として、インターンシップの実施は企業にも就活生にも浸透してきています。
ダイヤモンド社の『大手企業の8割がインターン生に内定を出す』によると、企業によっては内定者の8割以上がインターンシッを経由しているようです。
『リクルートキャリアの最新データを見ると、企業のインターンシップ実施率(2015年度)は59.5%(前年比9.6ポイント増)、学生の参加率は39.9%(2016年卒、前年比13.0ポイント増)となっている(データは「就職白書2016」リクルートキャリア就職みらい研究所調べ)。いまや「参加して当たり前」の状況に近づいている。
インターンという言葉からは「就業体験」というイメージが強いが、実際は「採用活動」の一環として機能しているケースが多い。従業員規模1000人以上の企業では、インターン参加学生が内定者に含まれる割合が8割を超えたというデータもある。明らかにインターンが内定につながる入り口になっている。』大手企業の8割がインターン生に内定を出す|ダイヤモンド
必ずしもインターンシップが就活に有利に働くわけではないですが、就活に役立つ可能性は高いと思います。
最後に
アルバイトではなく、インターンシップという選択肢も良いよ
9割の大学生がアルバイトを経験しますが、インターンシップを経験する大学生はまだ少数です。お金を稼ぐためにアルバイトをしている学生は多いですが、お金を稼げるインターンシップもたくさんあります。
アルバイトだけではなく、より実戦的なインターンシップという選択肢もぜひ考えてみてください。インターンシップで得られた実績や経験はアルバイトよりも就活に役立ちますよ。
因みに、インターンシップに最適なのは2,3年次の夏休みです。就活中にインターンシップするのは時間もとられるので、できれば早い段階で参加してみて「企業で働くとはどういうことか」を具体的にイメージできるようにして、就活を迎えるようにすると良いと思います。