大学生と一括りにまとめてもかなり個人差があります。中にはバイトしてるけどお金に困って学生ローンにまで手をだす人もいれば、親のお金で豪遊して暮らしている人もいます。
お金がどの程度あるかによってできることも変わってきますし、「他のみんなはどれくらい仕送りもらってるか?」知りたいですよね。今回は大学生のお金の事情について少し調べてみました。
この記事の目次
大学生活にかかる費用は?
日本学生支援機構の「平成26年度学生生活調査」のデータにはこのような情報が掲載されています。(過去のデータやその他データとその分析がされているので、気になる方は見てください。)
※ここでは、国公私立大学(昼間部)の年間平均値のデータを引用しています。
大学生の収入額
学生の収入額:1,971,400円
家庭からの給付:1,193,800円
奨学金:400,000円
アルバイト:321,800円
定職・その他:51,000円(収入の割合:家庭からの給付60:6%・奨学金20.6%・アルバイト16.3%)
学生の収入額を見ると、家庭の負担が大きいことが良く分かります。
大学生の生活費
学生生活費(学費と生活費の合計):1,860,000円
学費:1,195,300円
(内訳:授業料、その他の学校納付金:1,044,600円・修学費、課外活動費、通学費:150,700円)
生活費:666,800円
(内訳:食費、 住居・光熱費:356,700円・保健衛生費、 娯楽・し好費、 その他の日常費:310,100円)自宅通学者の学生生活費:1677,100円
自宅外通学者の学生生活費:2,129,900円実家でも一人暮らしでも学費は変わらないので、それぞれの学費を差し引いた生活費は以下のようになります。
自宅通学者の生活費:481,800円
自宅外通学者の生活費:934,600円なお、自宅外通学者でも学寮かそうでないかで若干異なります。
学寮通学者の生活費:821,300円
下宿、アパート、その他の生活費:1,039,000円
生活費は実家暮らしか一人暮らしかで45万円(学寮でなければ55万円)ほど差がつくようです。実家暮らしと一人暮らしの差は非常に大きいですね。
一人暮らしの生活に憧れる実家暮らしの学生も多いと思いますが、この50万円の差をどう考えますか?
『学生生活費の合計では、国立が150万円、私立が198万円と私立が国立 より 48 万円高くなっている。内訳をみると、学費は私立が国立より 71万円高く、生活費は国立が私立より 24 万円高くなっている。』平成26年度学生生活調査
月の収支の方が分かりやすいと思うので、一部月換算してみます。
家庭からの給付:99,400円/月
奨学金:33,000円/月
アルバイト:26,800円/月
アルバイトに関して、仮に時給を1,000円だとすると月27時間程度をアルバイトに費やしていることになります。休業時期に一気に働くことを踏まえると、開業時期にアルバイトしている学生は少ないのかもしれません。
また、平均的にみるとアルバイト代では生活費を稼ぐことはできておらず、仕送りや奨学金が頼りとなっているようです。
補足1
家庭からの給付に関しては、学費の支払いも含まれている感じでしたので、一人暮らしの学生の学費を除いた家庭からの給付金額を出しておきます。
家庭からの給付:1,454,500円
(下宿、アパート、その他に住む学生)ここから学費の1,195,300円を引いた金額を学費以外の仕送りとして考えます。すると、
家庭からの仕送り:259,200円(月21,600円)
家庭からの仕送りが月21,600円となりましたが、奨学金を学費に充当すれば月54,600円程度の仕送りとも考えられます。
さらに学費のうちの通学費など学校に直接納品する形でない部分を追加していくと月7万円程度になり、これが実際に仕送りとしてもらう金額だと考えられます。奨学金を合わせれば生活費に充てられる仕送りは54,600円程度だということです。
補足2
奨学金に関してですが、平均の400,000円という値が全体(借りていない人を含めた)平均値であるようです。奨学金を借りている学生の割合が51.3%なので、奨学金を借りている学生の中での平均受給額は78,000円程度になります。
ただ、調べてみると奨学金の平均受給額は66,000円程度だあるというデータがありましたので、66,000円程度であるという見方で良いような気がします。
自宅通学者の生活費:40,150円/月
自宅外通学者の生活費:77,800円/月
自宅外通学者は家賃や水道光熱費も自分で支払わなければならないのでちょっと大変ですが、奨学金があればなんとかなりそうですね。
学生は働いてないのか
子供を大学に通わせる場合、家庭の負担が大きいのは当たり前ですが学生は思ったよりも働いてないことに驚きでした。
月換算してアルバイトの収益が26,800円/月だという形になりましたが、年のデータを使用しているので夏季休業などの長期休業の収益を含めた上で月30,000円も稼いでいないのはなんかおかしいような気がします。
調べてみた…
ベネッセ教育総合研究所の「大学生・生活実態調査報告書」では、バイトをしている大学生の割合は63.7%で、1週間の平均勤務時間は14.3h、平均日数は2.9日という結果でした。これだと月57時間ほど働いていることになるので、バイトをしている学生は月5万〜6万円ほど稼いでいることになるのではないかと思います。(バイトしてない人を合わせると月3万円いかないくらいになるということですかね。)
これまでのデータを踏まえると、月5万円稼いでいれば生活費は十分に足りそうです。余った分をサークル旅行や合宿代のために貯蓄していることが予想されます。
まとめ
今回紹介したデータで特に気になりそうな毎月の平均値を少し記述を変えて分かりやすくまとめておきます。
仕送りの平均額:54,600円/月
奨学金の平均額:66,000円/月
バイト代の平均額:57,000円/月実家暮らしの平均生活費:40,150円/月
一人暮らしの平均生活費:77,800円/月
大学生はお金が満足にあるわけではないので、どこに時間・お金を活用すべきか良く考えて工夫していく必要がありそうです。
奨学金は借金である
今回のデータで奨学金があるお陰で余裕を持った大学生活を送れている学生が多いことも分かりました。とはいえ、奨学金は借金であり卒業後には返済する義務が生じます。
ですが、借金は資産ですから奨学金(学生生活)を上手く運用して高給与を得られる職を手に入れれば問題ないわけです。
逆にいうと、「借金をしたけど全然返済ができない」というのは借金して得たお金と時間の運用に失敗した結果になります。
ビジネスでの資金運用と違い学生生活の運用となると数値として見えてこないですが、卒業後に「大学に通ってよかった」と思えるか「大学なんて通わなければよかった」と思うかの違いとして現れてきます。
もっとも確実な投資は自己投資だと言われますので、学生生活のうちに自分の身になり役に立つ知識やスキルを身につけていきましょう。
p.s.
ちょっと複雑になってしまったかと思いますので、セグメント切って別記事で分かりやすくまとめていきます。
参考:『平成26年度学生生活調査』日本学生支援機構
参考:『大学生・生活実態調査報告書』ベネッセ