ブラックバイトという言葉を知らない学生はほとんどいないと思うが、どれくらいの学生がアルバイトの労働環境で問題を抱えているのだろうか。
今回は、厚生労働省の『大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について』を参考に、ブラックバイトの実態について見ていく。
大学生のブラックバイト実態調査
5人に4人以上の大学生はアルバイトで学業に支障が出ている
厚生労働省の『大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について』によると、アルバイトをしていて学業に支障をきたした学生は5人に4人以上存在している。
あなたはアルバイトによって、学業に支障が出た経験がありますか。
- ある:82.2%
- ない:17.8%
参考:厚生労働省『大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について』
ブラックバイトは「学生であることを尊重しないアルバイトのこと」を指すので、学業に支障をきたすレベルでの労働を強要されるのでれば、それはブラックバイトだと言って良いだろう。
ここで大事なのが、両者の合意があるかどうか。学業に支障が出た経験のある学生のうち、学生であることを尊重されずにテスト期間にも休むことを許されず、学業に支障をきたすレベルでシフトを強要される場合は対処が必要だ。
5人に3人の大学生は労働条件等のトラブルを経験している
また、労働条件等でトラブルを経験している学生も5人に3人にのぼり、アルバイトにおいて雇用者側との問題が生じることは珍しくないようだ。
- 労働条件等で何らかのトラブルがあった:60.5%
参考:厚生労働省『大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について』
労働条件等のトラブルは様々
状況に応じては仕方のないこともあるが、両者の合意のなく労働条件を無視した労働をさせるのは非常に問題だ。こうしたトラブルが持続的に行われているのであれば、ブラックバイトであることを意識した方が良いかもしれない。
あなたはアルバイトをしていて、労働条件などに関して次のようなことはありましたか。
- 採用時に合意した以上のシフトを入れられた:14.8%
- 一方的にシフト変更を命じられた:14.6%
- 準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった:13.6%
- 採用時に合意した以外の仕事をさせられた:13.4%
- 1日に労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかった:8.8%
- 給与明細がもらえなかった:8.3%
- 退職を申し出ても勤務先の都合を理由に退職させてもらえなかった:3.2%
- 暴力やいやがらせを受けた:2.8%
- 商品やサービスの買取を強要された:1.8%
- 賃金が支払われなかった(残業分):5.3%
- 賃金が支払われなかった(全額):1.3%
- 仕事中の怪我の治療費を自己負担させられた:1.3%
- 賃金から一方的に罰金を徴収された:1.2%
- 会社の都合で一方的に解雇された:1.2%
参考:厚生労働省『大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について』
まとめ
ブラックバイトという言葉に過敏になってしまうと、ちょっとした問題があるだけで「ここはブラックな職場なのかもしれない」と思うかもしれない。
しかし、これらのデータから分かる通り、アルバイトにおいて多少の問題は良くあることだ。
飲食店の店長なんかは深夜に出勤したりと大変な思いをしながらお店を経営していたりする。雇用者側の気持ちもほんの少しだけ考えてあげて、客観的な視点でそこがブラックバイトなのかを判断してみて欲しい。