大学在学中の就職活動に備える英語学習には、まず「そもそも自分は本当に英語が必要なのか」を考えるところから始まります。
そして、英語が必要である場合、「英語を学んで達成したい目標」と「英語学習にかけられる期間」を考えて学習計画を立てていきます。
例えば、「目標を達成するには高い英語力が必要だが、学習期間が十分でない」場合と、「目標レベルはさほど高くなく、かつ学習期間は十分に余裕がある」場合だと、英語学習のアプローチは全く異なります。
以下では、就職活動に備えて英語力を向上させる場合の例をいくつか挙げて、説明していきます。
英語学習の進め方
就職活動における英語学習はすなわち、「TOEIC対策」と「英語会話力対策」の2点に分かれます。多くの大学生にとっては、前者の「TOEIC対策」のみが必要となり、後者の「英語会話力対策」は不要となります。
ご存知の通り、企業は新卒学生の英語力を図るうえでTOEICを用いています。なぜTOEICなのかというと、英語力の高い学生が欲しいといっても、面接官にそれを判別する能力がないので、履歴書の数字を見て学生の英語力を判別するしかないからです。
これは、そこまで高い英語力がない学生にとっては、ある意味「都合のよい状況」とも言えます。「TOEIC対策」を行い、ある程度の点数を取ることは、「英語会話力対策」を行い会話力をつけることに比べると、ずいぶんと簡単だからです。
よって、一部の業種、業態を目指す人以外は、まずTOEICの点数を上げることだけを考えれば問題ありません。
英語学習の進め方(TOEIC対策)
就職活動に向けて、TOEICの勉強をする場合、「自分一人で英語学習を継続できるかどうか」によって、学習方法は大きく変わってきます。
1.自分一人だけで学習継続できる人
自分一人で英語学習を継続できるという方は、意思が強いこと、そして自分で英語学習計画を立てられることの2点を満たした人です。こうした人は、現実的な達成可能な目標を自分で立てて、学習計画を作成し、一人で淡々と英語学習を進めていくことができます。
「TOEIC点数アップに必要な参考書・問題集」といったネット上の情報を確認し、必要となる書籍を本屋で購入し、学習期間が終わることには目標の点数に到達しています。
とはいえ、これだけの意志の強さを持ち続けられる人は非常に少ないのです。「学習は継続できるが、目標を達成できない」「書籍は買ったものの、学習を継続できない」など、途中で挫折する人が圧倒的に多いためです。
2.TOEIC学習専門家のサポートを受ける人
TOEIC学習者は、「自分一人でやらねば」と固執したために、目標を達成できず失敗した、という最悪の結果を避ける必要があります。このため、多くのTOEIC学習者は、専門家のサポートを受けて目標を到達していきます。
TOEIC学習の専門家を力を借りるには、3つのアプローチがあります。
(1)TOEIC学習講座に通学
「TOEIC学習講座」「TOEIC塾」「TOEICレッスン」など、様々な呼び名がありますが、「TOEICの点数アップを目的とした通学型のプログラム」に通う場合がこちらになります。
受講者の現在の点数ごとに、どうすれば点数を上げることができるかについて、多くのノウハウの蓄積があるため、自分だけで取り組むよりはるかに効率よく、かつ確実に点数アップを行うことができます。
一人で学習していると気分次第で学習を怠けてしまう方は多いですが、通学型であれば「週に月曜日と木曜日がレッスンで、課題提出必須だからしっかりやらないと」とリズムができます。
通学型のTOEIC対策では、プライベートレッスンが1回2,100円という格安で受講することがでる『English Village(イングリッシュビレッジ)』などがあります。
参考:満足度99.1%!コスパ業界最高クラスの英会話教室【イングリッシュ・ビレッジ】
(2)TOEIC短期集中講座に通学
一般的なTOEIC講座から比べると高額だが、基本マンツーマンレッスンで、かつ毎日学習の進捗や宿題の結果を報告させることで目標を短期間で到達されるタイプのたTOEIC短期集中講座が人気です。
こうした短期集中型のTOEIC講座は、時間のない社会人が短期集中的に学習して、TOEICの目標点数を取るために使われるケースが過半数ですが、もちろん学生も利用できます。
就職活動まで時間的余裕がない、TOEICの目標点数と現在の点数が100点、200点離れているといった場合に多く利用されています。例えば、「結果にコミット」でお馴染みのRAIZAPが運営している『ライザップイングリッシュ』があります。
短期集中型の語学教室は受講料が高めですが、効果はバツグンなので「ここぞ」という時におすすめです。
参考:【30日間全額返金】ライザップがTOEICにコミット!ライザップイングリッシュ
(3)TOEIC点数アップのため短期留学
夏休みや春休みの間にフィリピンのセブ島などに留学して、集中的に英語学習を行い、TOEICの点数を100点、200点あげる学習方法が、ここ数年で一気にメジャーになりました。
日本で行うのに比べて、マンツーマンレッスンが格安であること、アメリカ英語を話すフィリピン人の講師であること、そして日本から4時間程度と近いことなどが理由です。
フィリピンでひたすら英語学習漬けになり、怠けたい誘惑と切り離された「英語学習しかしない毎日」を送ることで、英語力を急上昇させることが可能です。有名なプログラムとしては、「0円留学」で有名なAHGSなどがあります。
参考:0円留学ならアーグス
英語学習の進め方(英語会話力対策)
次に、英語面接などの「話す力」を求められる場合の対策です。
通常のTOEICは「読む」と「聞く」なので、話す力をつける場面がありません。よって、会話力をつけるには英語での会話量を増やす必要があります。お勧めなのが、オンライン英会話で定期的にレッスンを入れていくという方法です。
大手英会話教室でマンツーマンレッスンを受けようとすると、1回数千円かかるケースが一般的です。しかし、オンライン英会話であれば、数千円で「1カ月」マンツーマン
レッスンを受けられるほど、金額が違います。
例えば、面接対策でマンツーマンレッスンを行うとします。英語面接の状況を設定して、講師を面接官役にして、自分が学生役という状況です。これを、大手英会話教室だと1回の練習の値段で、オンライン英会話では複数回だったり、多いものだと1カ月毎日練習できます。
1度しか練習しない人と、毎日練習した人では、もちろん毎日練習した人のほうが的確に受け答えができます。よって、安価に続けやすいネイティブキャンプやitalkiなどのオンライン英会話を使うのが会話力アップの近道になります。
参考:ネイティブキャンプなら月額6,480円でレッスンが24時間受け放題!
参考:英語を学びたいあなたへ italki
TOEIC・英語会話力以外の対策は就職活動に必要か?
上記以外にも英語力をつける上での方法はあります。ただ、限りある時間で就職活動に最低限必要な英語力を身に着ける、という観点からすると、時間やお金がかかりすぎる、また費用対効果が低いのが実際のところです。
1.TOEFL・IELTS
アメリカ系の大学への留学を目指す人はTOEFL、またイギリス系の留学を目指す大学生はIELTSが必要、ということはご存知かと思います。
しかし、就職活動という観点で考えると、「TOEICより難しいTOEFLやIETLSを受けたところで、結局TOEICの点数を求められるのだから、最初からTOEICだけに集中したほうがよい」ということになります。
2.長期留学(半年以上)
交換留学などで、半年以上留学することを「長期留学」と呼びますが、これも就職活動対策と考えると、かなり負担が大きくなります。まず、TOEFLやIELTSを受けたうえで、大学内の選考試験を突破しなければなりません。
そして、留学に必要なお金や住む場所などを準備する必要もあります。
もちろん、留学すれば英語力がつく可能性が高まりますが、長期留学するために必要な労力を投下するよりも、TOEICの点数だけ上げることに執着した方が時間もお金もかからずにTOEICの点数が上がります。
どうしても留学したい、という熱意があればぜひ長期留学を目指すべきですが、「就職活動の英語対策」のために長期留学を行うのは、労力がかかりすぎます。
3.海外インターン
就職活動のために海外でインターンをする、という選択肢が最近でてきています。
しかし、海外インターンの多くは「大学生が手軽に『海外インターンに参加しました』と履歴書に書くための商品」となっており、英語力がつく、つかないは実際のところ参加してみないと分からないのです。
例えば、「1週間アメリカの児童施設でインターンシップ」というプログラムがあったとします。
しかし、このプログラムに参加してどれくらい英語力がつくか、となると、「アメリカの児童と簡単な意思疎通ができる程度の英語力」しかつかない場合もあります。
また、「オーストラリアの企業でインターン経験」という商品だと、「企業の受付係、例えば『トイレはこちらです』『荷物を受け取る』程度の英語力」しかつかない場合もあります。
これは考えてみればすぐにわかることです。お金を出せば誰でもできるような「インターンシップ経験」を求めてくる学生に、そもそも高い能力を期待できないので、簡単な仕事しか任せたくないのです。
よって、海外インターンシップ=英語力が付く、という宣伝文句にだまされないほうが良いでしょう。
最短ルートで英語力をつける
以上、TOEICの点数アップや会話力などの、英語力をつけるための方法についてお伝えしました。
大学生である時間は、皆さんが思っているよりも短い、あっという間に過ぎてしまいます。よって、「最小限の努力で、必要なだけの英語力をつける」という観点が必要になります。
就職活動で必要な英語力がつくと、有利な就職活動ができるだけでなく、将来的にも仕事の幅が広がり高い給料を得るチャンスが増えます。ぜひ、この機会に英語学習を始めてみましょう。