大学生にとって最も重大な決断をせまられるのが就活の時期。就活生はどんな就職活動を行っているのか?
就活に失敗しても後の人生は長いので挽回することはできますが、会社選び・職業選びをどうするかで今後の人生は大きく変わります。
今回は、様々な統計データをもとに、大学生の就活事情を紐解いていきます。なるべく新し目のデータを集めてみたので、今後の就職活動の参考にしてみてください。
- 内定はきちんともらえてるか
- 何を基準に会社を選んでるのか
- 就活生はどんな不安を抱えているのか
- 企業は学生のどこを見ているのか
※詳細/関連データは参考サイトにアクセスすることで見ることができます。
内定状況
10人に1人の就活生は3月時点でも就活を続けている
就活を終えている就活生の割合
- 6月:16.1%
- 9月:67.5%
- 3月:89.9%
ほとんどの就活生が3月の段階では就活を終えているが、残りの10%は内定がもらえていないか現在の内的先に満足できていないなどの理由で以前就活を続けている。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
3月時点では内定取得率と就活を終える就活生の割合ほぼ一致
内定取得率
- 6月:35.2%
- 9月:74.5%
- 3月:90.1%
6月の段階では内定を取得した学生の半数が就活を続けており、9月にもなってくると就活を終える就活生が倍増してくる。この時期に内定をもらえないと焦りや不安を抱くようになってくる。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活生の10人に7人の内定取得者数は2社以下
内定取得社数 (16年3月調査)
- 1社:45.4%
- 2社:24.9%
- 3社:15.0%
- 4社以上:14.6%
- 平均:2.57社
1社または2社からの内定で就活を終える学生が半数以上いる。多くの就活生は内定が不要となるであろう企業には応募せず、志望企業をうまく絞って就活をしているのではないだろうか。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
内定を辞退する就活生は約半数
内定を辞退したことのある就活生の割合
- 内定を辞退したことがある:54.8%
- 内定を辞退したことがない:45.2%
内定を辞退するのは約半数。企業は内定辞退を予測した上で内定を出しているが、予測が外れると内定者が多すぎる/少なすぎるといった問題が生じる。辞退するなら、なるべく早く伝えるように。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
20人に1人の就活生は内的先の対応の悪さで内定を辞退している
内定の辞退理由
- 第一志望の会社ではなかったから:56.7%
- 内定を受けた他の会社に決めたから:71.5%
- 内定後の会社の対応が悪かったから:5.9%
- 内定後の研修等で印象が変わったから:3.0%
- その他:0.7%
内定をもらった企業の対応を見て内定を辞退する学生も1割ほどいる。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
4人に3人の就活生は第一・第二志望の企業から内定をもらっている
入社予定企業の就職活動開始当初の志望状況
- 第一志望:40.4%
- 第二志望:35.2%
- 当初は予定していなかった:24.4%
就活で希望する企業に内定をもらうのは大学受験よりも簡単かもしれない。
参考:就職みらい研究所『就職白書2016』
5人に4人の就活生は入社予定企業に満足している
入社予定企業への満足度
- 入社予定企業への満足度:81.7%
新卒者の離職率は3年で3割と言われるが、入社予定企業への満足度を踏まえると、内定に満足している人はそんなに離職するわけではないことが分かる。
参考:就職みらい研究所『就職白書2016』
企業の選考基準
4割超の就活生が大手志望
あなたは「大手企業志向」ですか、それとも「中堅・中小企業志向」ですか
- 絶対大手企業がよい:16年卒(6.9%)
- 自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい:16年卒(36.0%)
- やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい:16年卒(42.6%)
- 中堅・中小企業がよい:16年卒(9.9%)
- その他(公務員・Uターン脂志望など): 16年卒(4.2%)
- 自分で会社を起こしたい:16年卒(0.5%)
割合は均衡しているが、大手重視派の学生よりも中堅・中小重視で良い派の学生の割合が上回っている。また、企業の規模に強い拘りを持っている学生は少数であることも分かる。
参考:株式会社マイナビ『2017年卒マイナビ大学生就職意識調査』
就活生はやりたい仕事ができるかどうかを重要視している
あなたが企業選択をする場合、どのような企業がよいと思いますか(2つを選択)
- 1位:自分のやりたい仕事(職種)ができる会社(16年卒:40.2%)
- 2位:安定している会社(16年卒:26.3%)
- 3位:社風が良い会社(16年卒:17.8%)
- 4位:働きがいのある会社(16年卒:17.6%)
- 5位:勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社(16年卒:12.4%)
- 6位:給料の良い会社(16年卒:11.2%)
- 7位:これから伸びそうな会社(16年卒:9.6%)
- 8位:一生続けられる会社(16年卒:8.9%)
- 9位:休日、休暇の多い会社(16年卒:8.3%)
- 10位:自分の能力・専門を活かせる会社(16年卒:7.8%)
就職で大事なのは望んだ仕事ができるかどうかであり、希望職がない場合は安定・保障・社会的意義を求めているのではないか。
参考:株式会社マイナビ『2017年卒マイナビ大学生就職意識調査』
就活生には営業職が最も人気
現時点での志望職種は何ですか
- 1位:営業企画・営業部門(16年卒:26.3%)
- 2位:総務・総理・人事などの管理部門(16年卒:14.1%)
- 3位:商品企画・開発・設計部門(16年卒:13.8%)
- 4位:研究・開発部門(16年卒:11.4%)
- 5位:製造技術・生産管理部門(16年卒:4.8%)
- 6位:広報・宣伝部門(16年卒:4.4%)
- 7位:情報システム部門(16年卒:4.3%)
- 8位:海外営業などの海外事業部門(16年卒:3.5%)
- 9位:技術サービス部門(16年卒:3.3%)
- 10位:調査・企画部門(16年卒:2.7%)
- その他:10.4%
募集人数が多いからか、最も人気の職種は営業企画・営業部門。専門的な技能を求められる職は志望する就活生が少なく、就活を有利に進められそうだ。
参考:株式会社マイナビ『2017年卒マイナビ大学生就職意識調査』
半数以上の就活生仕事に楽しさを求めている
仕事観 (16年3月調査)
- 楽しく仕事をしたい:54.1%
- 仕事とプライベートを両立させたい:55.0%
- 収入があれば良い:27.2%
- 社会に貢献できるしごとをしたい:25.6%
- 出世したい:11.5%
- 人の役に立つしごとをしたい:28.3%
- 自分のやりたいことを、仕事を通じて実現したい:28.2%
- 将来的には起業したい:5.3%
- その他:0.5%
「楽しく仕事をしつつ自分の時間も十分に欲しい」というのが多くの就活生の本音。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活前の学生は企業の社風を最も重要視している
エントリー・応募する企業に対して重要視する項目は何か?
- 1位:社風(45%)
- 2位:業種(40%)
- 3位:場所(23%)
- 4位:職種(17%)
- 5位:福利(15%)
- 6位:給与(14%)
- 7位:規模(11%)
- 8位:転勤(5%)
企業文化に共感できるかどうかがエントリーする際に重要な項目であり、気になった企業に対して体育会系か文化系かといった特色を見定めて自分に合う企業を探している。
参考:(株)ライセンスアカデミー 進路情報研究センター『就職に関する意識調査』
就活生は企業の安定を最も重要視している
企業選定基準 (15年9月調査)
- 安定している:45.3%
- 給料が良い:34.0%
- 社風が良い:42.0%
- 転勤がない:15.6%
- これから伸びる:5.8%
- 有名な:6.5%
- 一生働ける:17.6%
- 休みが多い:12.7%
- やりたい仕事ができる:36.9%
- 自分の専門を活かせる:13.3%
- 研修がしっかりしている:5.6%
- 福利厚生がしっかりしている:28.9%
- その他:1.8%
- 特にない:2.5%
「私を大事にして長い間養って欲しい」というのが多くの就活生の本音。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活後の就活生は企業からもらえる給与を最も気にしている
就労上の重要点(16年3月調査)
- 給与・年収:60.1%
- 残業の少なさ:25.2%
- 休みの取りやすさ:36.0%
- 福利厚生制度が充実している:48.3%
- 勤め先の場所(立地):44.8%
- 仕事のやりがい:42.2%
- 希望する仕事ができる:30.0%
- 新たな人との出会い(会社や取引先の人間関係):16.6%
- 知識・能力向上機会(教育・研修・留学):21.9%
- 社内での昇進の可能性:12.1%
- 将来、独立や起業をするための経験が積める:6.0%
- 定年で勤められる:17.2%
- 親や周囲の意見:7.3%
- その他:0.5%
- 重視する(求める)点はない:4.0%
「満足のいく給与と保障を用意しろ」というのが多くの就活生の本音。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活の方法
就活費用は平均101,262円
就活にかかった費用(平均額)
- 総額:101,262円
- 交通費:53,672円
- ファッション費:33,966円
- 宿泊費:5,753円
遠い場所へ出かける場合は、夜行バスなどを利用したとしても交通費や宿泊費がもっとかかるから注意。
参考:就職みらい研究所『就職白書2016』
就活生の平均エントリー数は33.8社
就職活動の参加率(16年3月調査)
- 1位:企業へのエントリー(64.7%・平均33.8社)
- 2位:単独の企業説明会への参加(60.3%・平均16.5社)
- 3位:就職情報サイト(ナビ)への登録(56.9%)
- 4位:合同企業説明会への参加(53.0%・平均4.6社)
- 5位:学内の合同企業説明会への参加(46.6%・平均4.9社)
- 6位:インターンシップ(37.1%・平均2.9社)
- 7位:会社訪問(18.5%・平均6.4社)
- 8位:OB・OG訪問(14.6%・平均2.5社)
不特定多数が気軽に参加するサイト登録や説明会への出席などの割合は高いが、手間のかかる企業・OB/OG訪問などの割合は低い。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活サイトはリクナビとマイナビの2強
就職情報サイトへの登録 (16年3月調査)
- リクナビ:77.9%
- マイナビ:79.7%
- 日経就職ナビ:43.5%
- ダイヤモンド就活ナビ:16.1%
- ブンナビ(文化放送就職ナビ):7.3%
- あさがくナビ(朝日学情ナビ):21.6%
- アクセス就活ラボ:2.4%
- JOBRASS(アイデム):5.5%
- みんなの就活日記:28.2%
- アスリート就職ナビ:2.0%
- その他:3.3%
- 就職サイトに登録したことはない:12.8%
最近はベンチャー企業の就活支援サービスも増えてきており、情報サイトの多様化が進んでいる。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
かなり多くの学生が就活方法を大学で学んでいる
就職活動方法の情報入手源 (16年3月調査)
- キャリアセンター:39.1%
- 就職情報サイト:38.2%
- 学内での就職ガイダンス:46.8%
- 先輩:30.5%
- 友人:26.7%
- 就職対策書籍:11.9%
- 企業のホームページ:15.4%
- SNS:4.8%
- 新卒応援ハローワーク:4.9%
- 家族:9.0%
- 教授:8.4%
- 民間の就職エージェント、アドバイザー:4.6%
- その他:0.7%
- どこからも学んでいない:15.2%
就活に関する基礎知識を得る場として大学(就活ガイダンス・キャリアセンター・大学の先輩や友人・教授)は大きな役割をはたしている。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
インターンシップは夏休みの参加者が最多
インターンシップ参加時期(16年3月調査)
- 1位:7〜9月
- 2位:1月〜3月
- 3位:11月〜1月
割合は控えるが、3年生が就活目的でインターンシップに参加する割合が圧倒的に多く、時期としては各学年同様に夏休みにインターンシップの参加が集中し、その次に春休みに集中する。
長期休業期間の2ヶ月ほど前から参加者は増え始め、学業とのバランスをとりながらインターンシップへの参加を考えている。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
ほとんどが短期インターンシップ
参加したインターンシップの期間(16年3月調査)
- 1日:49.3%
- 2日:18.7%
- 3日以上1週間未満:40.4%
- 1週間以上2週間未満:17.2%
- 2週間以上1ヶ月未満:7.9%
- 1ヶ月以上3ヶ月未満:3.4%
- 3ヶ月以上:1.0%
インターンシップに参加する学生が増えていると言われているが、1週間未満のインターンシップがほとんどで3ヶ月以上の長期インターンシップに参加する就活生はかなり少ない。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
インターンシップ情報はWebから収集されている
インターンシップ情報の入手先(16年3月調査)
- キャリアセンター:37.9%
- インターンシップ情報サイト:47.8%
- 企業のホームページ:39.9%
- 友人、先輩から:13.3%
- 新卒応援ハローワーク:1.5%
- その他:6.4%
近年のインターンシップの普及は、意外とキャリアセンターが大きな役割を果たしているのかもしれない。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
インターンシップの内容は様々
参加したインターンシップの内容(16年3月調査)
- 企業見学、職場見学、工場見学:57.1%
- 実際の仕事体験:56.2%
- 社長、人事、社員の講義・セミナー:40.4%
- グループワーク:60.6%
- 社員との交流、懇親会:45.3%
- その他:1.5%
インターンシップの実態は、実際に仕事をするのではなく、企業見学や簡易ワークショップ、交流会といったまがいものも多い。インターンシップの内容を見定める必要がある。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
仕事や業界に対する具体的な知見を得られるのがインターンシップの魅力
インターンシップに参加して良かったと思う点
- 1位:仕事内容を具体的に知ることができた(66.1%)
- 2位:業種について具体的に知ることができた(62.3%)
- 3位:企業・職場の雰囲気を知ることができた(33.8%)
- 4位:企業の事業内容を具体的に知ることができた(32.4%)
- 5位:自分のスキルを見極めることができた(17.3%)
- 6位:自分のキャリア勧を明らかにすることができた(14.9%)
- 7位:他の就職活動中の学生との人脈を作れた(14.1%)
- 8位:インターンシップに参加した企業から内定取得できた(10.0%)
- 9位:社会人との人脈を作れた(8.5%)
- その他(1.6%)
- 特にない(6.6%)
業界や仕事内容などを知らない場合には、インターンシップは具体的な知見が得られて非常に役立つ。
参考:就職みらい研究所『就職白書2016』
未参加者の3人に1人はインターンシップに魅力を感じていない
インターンシップに参加しなかった理由
- 1位:内容に魅力を感じなかった(37.1%)
- 2位:学業など、他の活動で忙しかった(25.1%)
- 3位:採用選考上有利になると思わなかった(19.4%)
- 4位:応募することを面倒に感じた(17.1%)
- 5位:実施時期や時間が、自分の予定と合わなかった(14.8%)
- 6位:志望企業がインターンシップを実施していなかった(12.4%)
- 7位:インターンシップ自体を知らなかった(7.3%)
- 8位:参加したかったインターンシップの選考に落ちた(6.3%)
参加しなかった学生の半数は魅力を感じていないが、学業などの都合で「参加できなかった」学生も多い。
参考:就職みらい研究所『就職白書2016』
キャリアセンターの利用者は過半数
キャリアセンターの利用状況
- 利用したことがある:56.3%
- 利用したことがない:43.7%
就活生のキャリアセンター利用率は半数を超えており、就活情報を得るためのツールの一つとなっている。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
キャリアセンターの利用頻度はまちまち
就職課・キャリアセンター等をどれくらい利用しているか?
- 週2〜3回:4%
- 週1回:14%
- 2週間に1回:13%
- 1ヶ月に1回:20%
- 2〜3ヶ月に1回:15%
- 利用したことがない:33%
頻繁にキャリアセンターを利用する学生の割合は低いが、過半数を超える学生が一度は利用したことがある。あまり利用者がいない印象があったが、ある程度機能しているようだ。
参考:(株)ライセンスアカデミー 進路情報研究センター『就職に関する意識調査』
キャリアセンターは敷居が高い
キャリアセンターを利用しない理由
- 利用してもメリットがないと思うから:45.2%
- キャリアセンターの場所が分からない:26.8%
- 何となく敷居が高く、入る勇気がない:26.4%
- 周りの目が気になる:7.9%
- その他:5.4%
場所が分からないという人はさておき、キャリアセンターからメリットのある情報を得られないと考える割合が高い。また、入りづらいと思われていて印象が悪い。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活生の5,6人に1人はUIターン就活をする
UIターン就職活動① (16年3月調査)
- UIターン就職活動を行った:18.5%
- UIターン就職活動を行わなかった:82.5%
UIターン就職活動を行った学生の72.3%はUI就職をする。UIターン就職活動に取り組む際には交通費やスケジュール調整で困ることが多い。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活生の心理
4人に3人は高校を卒業して進学してから就職について意識する
就職を意識し始めた時期は?
- 中学校:2%
- 高等学校:25%
- 在学校:73%
将来について考えるのは大学生からが多数派。とはいえ、就活時期には希望する職業を決めなければならないので、大学卒業とともに就職するのではれば1・2年生のうちに将来のことを真剣に考えるのが大切。
参考:(株)ライセンスアカデミー 進路情報研究センター『就職に関する意識調査』
就活生の3人に2人が面接に不安を抱えている
就職活動で不安なことは何か?
- 1位:面接(62%)
- 2位:履歴書・ES(51%)
- 3位:筆記試験(35%)
- 4位:業種選び(11%)
- 5位:服装など(11%)
筆記試験は自己採点ができるが、採用担当の印象で決まる面接と履歴書・ESに対して圧倒的不安を抱えている。運の要素もあるが、数をこなして慣れていくことや志望企業の採用担当の趣向を調べることができれば、ある程度解決されていくはず。
参考:(株)ライセンスアカデミー 進路情報研究センター『就職に関する意識調査』
就活生の3人に1人は一般常識を知らなかったことを後悔している
就活前に知っておきたかったこと (16年3月調査)
- 一般常識:37.5%
- 社会や経済の動向:29.1%
- 自分の適正:32.9%
- 業界の知識:31.8%
- 仕事(職種)の知識:24.5%
- 就職活動の流れ:24.1%
- 語学力:23.8%
- ITスキル:10.1%
- その他:0.4%
- 特にない:14.6%
早い段階から一般常識や社会についての基礎知識を養っておくべき。就活における一般常識が何を指すか分からないと思うので、一般常識に関する書籍を何冊か読んでおくことをおすすめする。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活生の3人に1人は業界研究の浅さを後悔している
もっと早く取り組めばよかったこと (16年3月調査)
- 業界研究:32.0%
- 仕事(職種)研究:24.7%
- 企業研究:25.2%
- 自己分析:34.9%
- 面接対策:25.0%
- 筆記試験対策:20.7%
- 企業へのエントリー:9.5%
- インターンシップ:11.5%
- キャリアセンターの活用:7.7%
- 就職することへの意識、覚悟:18.8%
- 資格取得:14.1%
- その他:0.2%
- 特にない:21.2%
早い段階から会社と仕事について調べておくべき。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活生の10人に3人は就職後の起床に不安を抱えている
社会人になることへの不安事 (16年3月調査)
- 仕事がやっていけるか:57.8%
- 希望する仕事に就けるか:15.9%
- どこの勤務地に配属されるか:20.8%
- 会社での人間関係、付き合い:56.3%
- 会社の組織や風土になじめるか:37.5%
- 社会人としての常識:31.3%
- 毎日の通勤:25.4%
- 朝、ちゃんと起きられるか:30.2%
- その他:1.1%
- 特にない:9.1%
仕事はもちろん、毎日の通勤に対して不安を感じてる学生も多い。
参考:一般財団法人 雇用開発センター『2016年卒大学生就職活動調査』
就活生の3人に1人は自分は価値のない人間かと不安を抱えている
就職活動中、どんな不安を抱いているか(いたか)
- 1位:どこにも就職できないかも(69.0%)
- 2位:ブラック企業に就職してしまうかも(41.7%)
- 3位:周り(友人など)と比べて、自分は努力していないのではないか(34.9%)
- 4位:自分は価値のない人間なのではないか(33.3%)
- 5位:やりたい仕事がみつけられなかったらどうしよう(31.8%)
- 6位:失敗はゆるされない(28.4%)
- 7位:親の期待に応えられないかも(21.1%)
- 8位:内々定をもらった企業に勤めて本当によいのだろうか(17.3%)
- 9位:就活資金が工面できていないかも(12.0%)
- 10位:就活で忙しく、卒業できないかも(6.9%)
- その他(0.5%)
- 特になし(6.0%)
就活は人生の中で大きな分岐点であり、多くの学生が不安を抱いて就職活動をしている。
参考:日本労働組合総連合会『就職活動に関する調査』
ブラック企業には多くの就活生が残業に関する不安を抱えている
“ブラック企業”とはどのような企業だとイメージしているか
- 1位:残業代が支払われない(82.7%)
- 2位:残業や休日労働が多い(81.5%)
- 3位:離職率が高い(62.6%)
- 4位:ノルマが厳しい(62.5%)
- 5位:給与が低い(54.3%)
- 6位:福利厚生が未整備(50.3%)
- 7位:ハラスメント行為(パワハラやセクハラなど)が日常茶飯事(46.6%)
- 8位:職場の人間関係が悪い(37.9%)
- 9位:名ばかり管理職がいる(十分な権限も報酬も得ていないのに建前上だけ管理職扱い)(36.1%)
- 10位:大量に採用している(34.8%)
- 11位:業務内容が不明瞭(33.9%)
- 12位:社員教育が行われない(31.5%)
- 13位:採用広告を年中出している(28.3%)
- 14位:人事制度が未整備(24.2%)
- 15位:若手の活躍を強調している(21.4%)
ブラック企業に対して、時間外労働が多い・正当な給与が得られない・劣悪な環境というイメージを持っている。
参考:日本労働組合総連合会『就職活動に関する調査』
企業の採用状況
企業は採用予定数の平均1.66倍の内定を出している
採用予定数を「100」とした場合の内定出し者数および内定者数の割合
- 採用予定数:採用予定数の平均1.66倍
企業が実際に内定を出すのは公表している採用人数よりも相当多いので、倍率が高かったとしても応募してみた方が良い。
参考:就職みらい研究所『就職白書2016』
企業の3社に1社は予定よりも採用人数が少ない
採用計画に対する充足状況
- 計画よりかなり多い:1.9%
- 計画より若干多い:14.1%
- 計画通り:32.3%
- 計画より若干少ない:36.3%
- 現在選考中につき、未定:1.9%
- 採用数について計画を立てていない:0.6%
- その他:5.5%
- 採用数充足:48.3%
内定を出しても辞退されることで、計画した採用人数に及ばないことがよくある。中小企業は大手に内定者をとられがちで困っている。
参考:就職みらい研究所『就職白書2016』
企業が採用で重視するのは圧倒的に人柄
企業が採用基準で重視する項目
- 1位:人柄(93.0%)
- 2位:自社/その企業への熱意(79.0%)
- 3位:今後の可能性(68.4%)
- 4位:性格適性検査の結果(41.2%)
- 5位:能力適正検査の結果(34.8%)
- 6位:学部・学科/研究科(24.7%)
- 7位:大学/大学院で身につけた専門性(23.5%)
- 8位:アルバイト経験(22.0%)
- 9位:大学/大学院での成績(19.3%)
- 10位:大学/大学院名(17.1%)
- 11位:語学力(15.4%)
- 12位:大学入学以前の経験や活動(12.8%)
- 13位:知識試験の結果(12.5%)
- 14位:取得資格(11.9%)
- 15位:所属クラブ・サークル(11.5%)
- 16位:所属ゼミ・研究所(6.3%)
- 17位:海外経験(6.1%)
- 18位:趣味・特技(5.4%)
- 19位:ボランティア経験(5.2%)
- 20位:インターンシップ経験(4.5%)
- 21位:パソコン経験・スキル(4.0%)
- 22位:OB・OG・紹介者とのつながり(1.5%)
- その他(2.4%)
就活生は自分の経験をアピールしがちだが、言ってること自体はそんなに信用されてなくて、かなりなんとなくの印象で判断されている。
参考:就職みらい研究所『就職白書2016』
最後に
就活生の置かれる状況に対してかなり色々なことが分かったと思うので、ぜひ今後の就活の参考にしてください。
想像以上に長くなったので、重要そうなものは各データに関する記事を個別にまとめていこうと思います。