就活生は就職活動中にどのような不安を抱えているのでしょうか。
今回は、日本労働組合総連合会の『就職活動に関する調査』を参考に、就活生が就職活動中にどのような不安を抱えているかを見ていきます。
- 就活生は就活に対してどのような不安を抱えているの?
- 就活の不安をなくすためにできることは何?
就活生が抱える不安ランキング
1位:どこにも就職できないかも
不安を抱いている大学生の割合:69.0%
就活をしていく中で、「どこにでも就職できないかもしれない」という不安を抱いている就活生が7割近くいるようです。大学を卒業する3月までに内定を獲得する学生は9割程度ですから、「確率としては低いかもしれないが、自分がそこに入ったらどうしよう」という不安だと思います。
大学受験と同じで志望した大学を落ちても1年浪人して第一志望の大学に入ることができれば、それはそれでありです。もし大学卒業までに内定をもらえなくても、就職浪人して次の1年で気に入った企業から内定をもらえれば1年間が無駄ではなかったと思えるのです。
対策
- 「選択と集中」で志望する業界・職種を絞り、そこに就職することに専念する。
- 「最悪どこにも就職できなかったとしても、なんとかなる。」と割り切って、いちいち「どこにも就職できないかも…」と考えないようにする。(時間の無駄)
2位:ブラック企業に就職してしまうかも
不安を抱いている大学生の割合:41.7%
就職したら週5日1日8時間以上労働しなければならず、ブラック企業に就職した場合は正当な給与が得られない・自分の時間を十分に持てないといった深刻なデメリットが生じます。飲食業界や営業職はブラックであることが多いと言われたりしますが、事前に情報を調べ上げることが大切です。
対策
- 業界・企業研究で企業の労働環境などを事前に調べておく。
- 働いてみて明らかにブラック企業だった場合、会社を辞めると決意する。
3位:周り(友人など)と比べて、自分は努力していないのではないか
不安を抱いている大学生の割合:34.9%
基準は人それぞれであり、自分では頑張っているつもりでも他人からするとそうではないかもしれません。「他人と比べて努力していないから自分はうまくいかないのではないか?」というのは、どの他人と比べるかに左右されます。どこに自分の基準を置くのかが問題であり、自分が努力していると思えるような行動をするだけで良いです。
対策
- 他人と比べるのではなく自分の基準を明確に設定すること
4位:自分は価値のない人間なのではないか
不安を抱いている大学生の割合:33.3%
就活生の3人に1人は自分には価値がないのではないかと不安を抱えており、中には鬱症状が続いてしまう人も多くいます。自分の価値が他人に認められないと不安になるかもしれませんが、採用担当は人の価値を正確に計る能力はありません。
そもそも採用担当は、就活生の能力をそこまで重要視していません(就活生の中ではすごいと思われる人も、社会人から見るとそうでもない。)。それよりも第一印象、人格、やる気が重要視されることを覚えておきましょう。
対策
- 価値があるかどうかは問題ではなく、どう価値があるように魅せるかを工夫する
- 採用担当に認められることを重大な問題として捉えない
5位:やりたい仕事がみつけられなかったらどうしよう
不安を抱いている大学生の割合:31.8%
就活生の中にはやりたい仕事が見つかっておらず、様々な業界の説明会に参加し、それでも悩んていたりする人も多いです。その場合は、自己分析が足りていないのではないかと思います。
また、やりたい仕事を探す作業をするのではなく、やりたくない仕事を除外していくことも大切です。どんな仕事でも良いからやってみたいという人はいないですよね。
対策
- 性格分析や適職診断を行う
- やりたくない仕事から「やりたくなくない仕事」を探す
6位:失敗はゆるされない
不安を抱いている大学生の割合:28.4%
どこの企業からも内定をもらえずに卒業すると、奨学金がもえらなくなる&返済義務が生じることで生活が非常に苦しくなります。バイトをするにしても生活費を稼ぐためにはたくさん働かなければならず、そうすると就活をしている時間がないように見えます。
とはいえ、遊びを捨てて土日を含めて働くようにすれば平日に時間を作ることができたりと、総合的な時間は学生としての就活時期と比べて減るかもしれませんが、工夫次第でできることはたくさんあります。
対策
- 失敗して正社員として就職できなくてもなんとかなると考える
- 就職浪人して働かなければいけないなら、土日を使って平日に就活する時間を作る
- 内定をもらえなければ、インターンシップなどで非正規として週5働く
7位:親の期待に応えられないかも
不安を抱いている大学生の割合:21.1%
これまで良い子として育ってきた学生は、小さい頃から「良い会社に就職して安心させてね」と親に言われていたり、「親を安心させるためにも良い企業に就職して安心させたい/喜ばせてあげたい」と考えがちです。
ただ、親がどんなに期待していたとしても、あなたの人生はあたなたのものです。よって、親の期待に応えるために行動するのではなく、ひとり立ちして自分がどうしたいかを考えて行動しましょう。それで納得しない親はいないはずです。
対策
- 親の期待は「良い会社に就職すること」ではなく、「子どもが自立すること」であることを理解する
- 親のために生きるのではなく、自分のために生きる
8位:内々定をもらった企業に勤めて本当によいのだろうか
不安を抱いている大学生の割合:17.3%
これに関してはどちらでも良いです。
9位:就活資金が工面できていないかも
不安を抱いている大学生の割合:12.0%
就活にかかる費用は平均して15万円程度であり、沖縄県など地方から都心へ就活をしに出向く学生は20万円以上かかることもあります。普段から生活が苦しい学生はみんなと同じやり方でやっていては、お金がたりなくなるかもしれません。
とはいえ、お金がないから就活ができないということはなく、ネットを活用すればいくらでも就活はできます。メール・電話・SNS・就活サービス…のコミュニケーションツールを活用して工夫してみてください。
対策
- 貯金をしておく
- ネットを活用して効率的に就活をする
- 例)場合によってはSkype面接をお願いする
- 都心に出向く際にはホテルに宿泊するのではなく、知人宅に泊めてもらう
10位:就活で忙しく、卒業できないかも
不安を抱いている大学生の割合:6.9%
大学3年までにしっかりと単位をとっていれば、4年次はほとんど単位を取る必要がない大学がほとんどですが、途中でさぼってしまうと就活時期に単位もとらないといけなくて、人によっては「内定はもらえるかもしれないが卒業できないかも」といった不安を抱えています。
この場合は自業自得と考えて、できることを精一杯やるしかありません。
対策
- 就活までに単位をきちんととっておく
- 教授に相談して授業にあまり出なくても単位がもらえるようにする
不安を抱いていない就活生はいない
就活に関する不安は様々ですが、一度深刻な不安を抱えてしまうと「自分だけがどうして上手くいかないのだろう」と塞ぎ込みがちになってしまいます。
不安を抱いていない就活生はいません。不安で仕方がなくなってしまったら、それが自分だけではないことを知り、他の人がどのようにその不安を解決してきたのかを調べ、実践していくことで解決されていきます。
まとめ
就活生が抱える不安を知ることで、対策を講じることができるのと、もし自分が似たような状況に陥った場合には状況認識が正確にできてスムーズな対処をすることができます。
もしかすると、多くの就活生は大した人生経験のない中で失敗を怖がっているだけで、どんな失敗をしたところでなんとかなることを知らないだけかもしれません。
情報を事前に蓄えておけばもしものときに対処しやすいので、書かれている内容が正しいかはさておいて就活に関する情報をたくさん収集しておきましょう。