大学を辞めたい?中退・休学の違い|大学を辞めるメリットデメリット

大学を辞める中退・休学等の選択肢

期待に胸を躍らせて大学に入学してみると、理想の大学生活と現実のギャップに落胆する学生は非常に多い。

そんな時、「大学を辞めたい」と中退・休学といった選択肢を真剣に考えることもあるだろう。

「高い学費を払って通っているにも関わらず社会で求められるビジネススキルは身につかないし、何よりも大学の授業はつまらない。

奨学金という名の借金を抱えてこのまま何もなく卒業を迎えるなら、いっそのこと大学をやめてしまおうか…。」

でも、大学を辞めたからといって宛のある学生は少ない。目標が見つかって大学から離れるのであれば良いが、何もなくただつまらないからといった理由で辞めてしまうとその後もダラダラと何もすることなく過ごしてしまうかもしれない。

大学を続けるにしてもやめるにしても、様々な不安がつきまとう。

今回は、大学生が一度は考えるであろう中退・休学について詳しく解説していく。

この記事を読んで分かること
  • 大学を辞めたい時の選択肢
  • 中退・休学・現状維持のメリットデメリット
  • 経験者はどう思っているのか?

※大学1年生であれば編入も一つの手だろうが、編入に関してはまた別の記事で触れることにする。


大学を辞めたいと思った時に思い浮かぶ選択肢

大学を辞めたいと思った時の選択肢

大学を辞めたいと思った時に頭によぎる3つの選択肢がある。

  1. 大学を中退する
  2. 一度休学して考えを先延ばしにする
  3. このまま大学に通い続ける

この3つの選択肢のどれが正しいかは存在しない。同じような心情を持っていたとしても、各々の境遇やタイミングによってどうするかは全然異なるだろう。

自身の目標を達成するためにはどのような道があり、どの選択肢が自分にふさわしいのかを責任を持って決断すべきだ。

自分の人生なのだから決して決断を他人に委ねるべきではないし、責任を他人に押し付けてはいけない。

辛いこともあるだろうがそこで自分の責任から逃げてしまうと、状況が一向に改善せず、むしろ悪化していく。そこからさらに他人に責任を押し付けて,,,と負の連鎖が続いてしまうと、貴重な時間がどんどん無駄になっていく。

後から取り返しはいくらでもつくが、過ぎてしまった時間は元に戻らない。ならば、自分のことは自分でなんとかしていくしかない。

それぞれのメリットデメリット

では、大学を辞めたいと思った時に考える3つの選択肢のメリットとデメリットを見ていく。それぞれどのような特徴があるのだろうか?

一応休学と中退について先に説明しておく。

休学:学長(又は委任を受けた学部長)の許可を経て単位の履修を停止している状態。(学校によるが、授業料が半額〜全額免除される)
中退:中途退学のことで修業年限未満で退学する(大学を辞める)こと。

中退する場合

大学を中退する

中退した場合、学生でなくなり学歴は大学中退で止まる。大卒人材の豊富な世の中なので中退では就職に若干不利なのは間違いない。大学を卒業しておけば一応大卒という学歴になって最低限の社会的信用は得られるわけだから、安易に中退を決断すべきではない。

メリット

  • やりたいことに専念できる
  • 無駄な学費を払う必要がない

デメリット

  • 学生身分という後ろ盾がなくなる
  • 学歴は大学中退となる
  • 就活に不利になる

必要となる行動

大学をやめて大卒という学歴を手放すのであれば事前に何をするのかを決めておくべきだ。プログラミングの勉強をするだとか起業するだとか…。

「辞めたいなら、一刻も早く辞めれば良い」という意見もあるだろうが、その場合はメンタルの強さが問われ、メンタルが弱いと精神的にかなり追い詰められて鬱症状を発症させる可能性も十分にある。

確固とした精神的支柱がないと不安でいっぱいになるだろうから、中退を強く勧めることはできない。

大学期間はやりたいことを見つけるための時間でもあるから、もしやりたいことが明確でなければ卒業のための単位を履修しつつ大学の授業以外の勉強をたくさんするのも良いだろう。

想定される好ましい状態

起業して仕事に専念したかったので、退学した。退学後、立ち上げた事業は急成長し同年代で会社勤めをしていては到底及ぶことのない収入を得る。仕事での人間関係にも恵まれ、刺激的で楽しい日々を送る。

想定される好ましくない状態

やりたいことが特にあるわけではないが、大学を辞め、辞めた後もやりたいことは見つからずにアルバイトの収益で生活する毎日が何年も続いていく。

休学する場合

大学を休学する

海外を旅する・インターンシップに集中するなど、事前にやることを決めた上で行動している学生は休学期間を充実させている。

メリット

  • 復学してもしなくても良いから精神的な余裕ができる
  • 学生という身分は残る
  • 学業から離れ自由に時間を使える
  • やりたいことに集中できる

デメリット

  • 同期よりも進学が遅れ、卒業までに時間がかかる
  • 金銭的な負担がかかる(国立大の多くは休学費用はかからないが、私大は授業料の半額程度取られることが多い)
  • 就活に若干不利

想定される好ましい状態

1年間の休学をする中でやりたかったことを真剣に取り組んだ結果、ある程度の成果が生まれ自身の大きな成長へと繋がる。大学に戻らなくてもやっていける自信があり、せっかくなので学位を取りつつ学生生活を楽しむなど自由に決断できる余裕ができる。

想定される好ましくない状態

大学がつまらないから休学申請をしたものの特にやりたいこともなく、ダラダラと毎日を過ごしてしまう。やりたいことをやるにもお金が足りないのでバイトをしていると、それだけで休学期間がほぼ終了していた。最後にちょっとだけ海外旅行に行って休学期間を終え、結局何も身にならないず就活も全然うまくいかない。

継続して大学に通う場合

大学を通い続ける

大学をやめたいと思った時にも、大学生活の中でやりがいを探すことはできる。大学の外に目を向けてみると、大企業を協賛につけてイベントを企画/運営している学生団体があったりと面白い活動をしている大学生はたくさんいる。

このようなことを知らずにつまらないからという理由で大学を辞めるのはただ無知なだけなので、まずは大学生活を最大限有効に活用する方法を模索することが大切だ。その上で大学を無意味だと思うなら辞めて良いと思う。

メリット

  • 卒業すれば学歴は手に入る
  • 友達と一緒に学び、遊べる
  • 周囲と同じペースで学業を続けられる

デメリット

  • 関心のない授業を受け続けなければならない
  • 学費を払い続けなければならない
  • 大学に縛られた生活を続けることになる

必要となる行動

現状のまま何もせず変化を待っている状態では、何も変わらずに大学生活が終わることもあり得る。だが、その場合でも卒業までいくことができれば大卒という経歴ができ、ある程度の社会的信用を得ることができる。

入学から早い段階で大学を辞めたいと考えた場合、自己を抑圧した状態で何年も大学を通わなければならなくなる。不満を抱えたまま大学生活を継続させるのではなく、何かしらの決意と行動が伴わなければ充実した学生生活は送れないだろう。

想定される好ましい状態

継続して大学に通う中でやりがいを見つけ、最高の友人・恋人にも出会い充実した学生生活を送る。就活では希望した企業から内定をもらい、仕事にも困らない。

想定される好ましくない状態

1.授業に出席しなくなり、卒業・進学に十分な単位の履修に失敗して大学を留年し、結局大学を中退する。

2.奨学金を利用してなんとか大学は卒業したものの正社員として内定がもらえず、借金を400万円ほど抱えたフリーター状態で社会に出る。

大学生の中退事情

私立4年生大学の8〜9人に1人は大学を中退している

「私立4年制大学では8~9人に1人が中退している計算になります。中退者の分布を学部別にみると、教育・医・歯・農など卒業後の仕事がイメージしやすい学部では少なく、文・経済・経営・商・社会などの文系学部で比較的多い傾向がありますね」(NEWVERY 山本繁理事長)

参考:ダイヤモンドオンライン『私大生の8人に1人が中退者になっていた!?大学から生まれる“格差社会ニッポン”の恐るべき実態

経験者の話

『僕は大学4年時の後期に起業しようとしていて、休学を使おうと思ってたから単位は一コマ(ゼミ)分だけ足りなかった。

ただ、急に思い立って「俳優を目指そう」と決めたことで、選択肢がいくつか生まれた。

  • 残り半年間分学費を払って大学を卒業する
  • 今すぐやめる
  • 休学して、落ち着いてから復学する

ここでネックになったのは、冒頭の中退理由ランキングにもあった、経済的理由だった。 大学を卒業するも、休学するにもお金がかかる。

ただし、大学をやめてしまえば「大卒」という肩書きは得られなくなるし、普通に就職はできないだろうと思った。

ましてや、俳優を目指すとなれば、「オーディション」や「養成所」、「交通費」などの出費も重なる。

ここで、僕にとって大事なのは「俳優になること」であって、『絶対に俳優になりたい』という想いを実現させるためには、二兎(卒業にかかる費用と俳優活動にかかる費用)を追うのではなく、出費を一本化すべきだと思い、中退という道を選んだ。』僕が卒業間近で大学中退という最終学歴を選んだ4つの理由

『自分の気持ちがぶれてきた

最初のインターン先と、面接で辞退した会社などを見て、ぼくは「映画業界に行きたい」という気持ちが「この道に進んでいいのだろうか?」というモヤモヤに変わっていきました。加えて、映画の専門学校にも夜間で通っていたため、その友人から話を聞いても、他の会社も良い環境とは言えないという情報ばかり。

そうやって、休学前とは全く予想しなかった迷走する日々が始まっていったのです。

悩んで苦しんだ休学後悔期「ホリエモンに思考停止野郎って言われた」』映画業界に行くため大学休学したらホリエモンにdisられ、会社クビになった話

調べてみると、中退や休学を経験している学生は、

  • 大学への反発
  • 自分探し
  • やむを得ない理由

であることが多いようだ。やむを得ない理由というのは、経済的理由・身体的/精神的異常など。

理由が様々であるので、ひとえに「したいなら中退した方が良い・休学した方が良い」なんてことは言えず、唯一言えるのは「中退・休学したところで人生が詰むわけではない」ということ。

道は無数に存在する。

まとめ

記事の途中でも書いたが、どの選択肢が正しいのかなんて答えは存在しない。

結局、自分がどうしたいかが問題であり、もし大学を卒業することが無意味であると感じたり大学の外にやりたいことがあるのであれば、そこに飛び込むのも良いだろう。

国立大で休学費用がかからないのであれば、退学するよりも休学に留めておけば良いと思うが、休学して何をするのかは明確にした状態の方が好ましい。

大学生のうちは家庭や経済的な問題もあるだろうが、そういった問題を試行錯誤して乗り越えてこその人生だし、失敗はして当たり前。ウジウジ後悔しない道を選ぼう。

あと、大学生でいるうちは「大学の教育システムが悪い」とか言い訳して行動しないのではなく、自分のできることを精一杯やって大学から離れたあとで「大学で学べることなんてない」と言った方がかっこいいと思うがどうだろう。

p.s.

大学を中退した場合、学校にもよるが「再入学」という道もある。再入学とは何かというと、中退した後に再度入学を希望する学生が復学できる制度のことで、入学から8年以内に卒業する見込みのある生徒であれば認められる。(この辺は各々で調べて)

例えば、大学3年になる際に大学を中退して、2年後に「やっぱ大学を卒業しておきたい」となった時などに所定の手続きを踏むことで復学することが可能だ。

同期で入学して留年せずに卒業した知人とは2年以上遅れての卒業となるが、このような選択肢もある。

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