やりたいことは社会人になってから決めれば良いと考える学生は多いと思いますが、それはやめた方が良いです。
一部の学生や社会人の間で「やりたいことは会社に入ってから探せばいい」という考えは存在しており、社会人のセミナーに行くと「私は会社の仕事を通してやりたいことが見つかりました。」という話を耳にすることがあります。
しかし、それは単純に会社の仕事が自分に合っていたから結果論として言えるだけで、何となく社会人になって生活をするためにやりたくもない仕事をすることになる社会人は多いです。
今回の記事では、なぜ学生のうちに社会人になってからの生き方を考えた方が良いのかを伝えていきます。
「私は会社の仕事を通してやりたいことが見つかりました。」というのは、現状で何も見つかってない人に対してのただの慰めであり、それを鵜呑みにしてしまうのは危険な考えだというのを覚えておきましょう。
この記事の目次
大学生のうちに就職後のキャリア設計をすべき5つの理由
大学生であるうちは、まだ社会に出る前のモラトリアム期ですが、将来のことについて考えなくて良いわけではありません。それには様々な理由があると思いますが、社会人になってからでは手遅れになりやすいことで考えてみます。
- 社会に出てからでは職種や業種を変えづらい
- 周りに流される人生を送るようになる
- 社会に出てからは全て自己責任で行動しなければならない
- スペシャリストこそ今後必要とされる人財である
- 自己実現は一日二日でできるものではない
1.社会に出てからでは職種や業種を変えづらい
社会人の話を聞いていると「いざ就職すると転職をしようと思った時に行く宛がない。」という話を良く聞きます。特に優秀な企業の内定者でない限りは就職後1,2年で辞めてしまうと、転職先に良い企業を中々選べないそうです。
そう考えると、社会に出てから自分のやりたい仕事や歩みたい人生像を模索した所で時すでに遅しで、選べる選択肢が狭まった状態での選択を余儀なくされます。キャリアを考えるタイミングを間違えると少ない選択肢から限られた仕事を選択しなければなりません。
なので、「今やりたいことがないけど社会に出たら分かるかも。」と考えている方は要注意です。社会に出てからやりたいことを探すのは肯定されがちですが、仕事をし始めてから探すのは見つからなかった場合はもちろん、見つかってもできる可能性が低くなるという点でリスクがあります。
社会人の中でもマルチビジネスが流行るのは社会に出てから何をしようか考え始めることが大きな要因としてあると個人的には考えていて、計画性なく何も考えないまま社会人になってしまうと最終的にマルチビジネスのようなものに縋るしかできなくなってしまいます。
どんな企業に入るかもそうですが、業種・職業選択は慎重に選ぶことが大切です。やりたいことと無関係な会社に入るのは時間の無駄になりやすい。
2.周りに流される人生を送るようになる
「やりたいことがないが、社会人になればやりたいことが見つかる。」と考えてしまっていると、結局は何も考えなかった大学生活と同じようにその場の空気に流されてしまう可能性が高いです。
社会生活は40年ほどある中で、やりたいことがなく行動の判断軸がないと周囲に流されるのは目に見えています。そうなると人間の性質上、無意識のうちに近くにいる人の生き方をマネて「上司と同じ生き方」を歩むようになってしまいます。
流される人生で良いなら問題ありませんが、一度きりの人生を自分の意志で切り拓く生き方をしたいなら、先を見据えて行動することは必須です。社会人になってやりたいことが見つかっていない状態は普通ではありません。それくらいの気持ちを持ちましょう。
会社にはそれぞれの文化や環境があります。合う合わないもありますが、学ぶことを忘れてしまっているような会社もあります。そういう良くない渦に呑み込まれて、長い間勤めていたら取り返しのつかないことになります。
3.社会に出てからは全て自己責任で行動しなければならない
多くの人が学生までは社会の決められたレールに従って学校に通い、親が学費を払い、バイト代に加えて親から仕送りやお小遣いをもらって過ごしていたと思いますが、社会人になってからはそうはいきません。生活の全てが自己責任になります。何もかも自分で決めなければなりません。
他人に責任を押し付けるような生き方はできない
社会人になってつまらない仕事をさせられるのは会社の責任。給与が低いのも会社の責任。仕事で失敗したら上司の責任。人の話に騙されたら騙した人の責任…。他人に責任を押し付けるのは楽ですが、誰も守ってくれない中で他人に責任を押し付ける人生はどうでしょうか。
社会人になってからも周囲に甘えて、責任の所在を人になすり付けても何も変わりません。何かを変えたいのであれば、自分を変える必要があります。仕事もプライベートも自己責任で自己実現に向けて行動していきましょう。
自分の行動に責任を持つことは、会社の中だけでなくプライベートでも必須です。「自分は悪くない。」と他人に甘え続けようとするのはやめましょう。
4.スペシャリストこそ今後必要とされる人財である
これからの社会ではゼネラリストではなくスペシャリストな人財が必要とされると言われています。どういうことなのかというと、中途半端に幅広い知識やスキルを持っている人ではなく、ある分野に特化したスキルを持った人が必要になってくるということです。
1万時間の法則の考え方にもある通り、スペシャリストな人財になるには相当な時間が必要です。つまり、途中で「やっぱ違った。」と専門分野を変えるには圧倒的な時間と労力がかかるので、早い段階で判断軸を明確にし確固とした専門分野を決めることが大切です。
とある大手人財コンサルタントの代表のセミナーで話を聞いた際には、20代は専門分野を磨く期間であると言っていました。会社ではその専門分野を学び実践し、実績を作る場であると。
人財会社であれば人財についての専門知識やスキルが身につくし、ファッション業界であればファッション、ITであればIT…。それぞれさらに細かい分野もあると思いますが、どのような業界・企業に入るのかによって身につく知識やスキルは大きく異なります。
専門知識やスキルは資産として一生使える価値あるものです。それをただ何となくで会社に入り身につけていくのではなく、自分にとって何が必要なのかを見極めた上で身につけなければ、後でまた一から自分でやっていくしかありません。
ある分野に特化したスキルとはいっても、自動化されたりして不要になるものも多いのが現実。今後必要とされるスキルを見極めて複数の得意分野を持つことや、時代に合わせて日々アップデートすることが大切です。
5.自己実現は一日二日でできるものではない
例えば、プロサッカー選手になりたかったとします。すると、プロサッカー選手になるために費やす時間やお金や労力は膨大な量になると思います。同時にプロピアニストになろうとしても恐らくそれは叶いません。なぜなら、プロピアニストだけを目指して努力している人には勝てないからです。むしろ両方叶わない確率の方が高い。
何かを成し遂げるには膨大な時間とお金と労力がかかります。その時々の気分でやりたいことが変わるなど、様々な分野に手を出していては本当に大切なことを実現させることができません。
何も考えずに社会人になるとどうしても仕事に大きな時間と労力をとられてしまい、自己実現に向けて自分の時間を作ることは中々できません。だからこそ、大学生のうちに自らが何をしたいのかを考え、自己実現に向けた活動のできる環境選びが大切です。
サッカーとピアノの例でいくなら、もしかするとピアノとサッカーを組み合わせた新しい何かを生み出せれば、今までにない仕事を作れるかもしれません。自己実現は今存在するものに縛られなくても良いかもしれません。
まとめ
キャリア設計を依然として考えずに行動する学生が多いのは事実です。しかし、社会人になってからのことを考えると、学生のうちにキャリア設計を行うのは当たり前であり、大学生や社会人にもなってまだ何も考えていない人は危機感を抱くべきだと個人的には思っています。
実際に多くの学生と会う中で、キャリアについて考えている学生と考えていない学生では、行動の質が大きく異なっているのを感じます。考えていない学生の行動は理由が曖昧なことが多いですが、キャリアを考え長期的な思考で目的意識を持った行動ができている学生の行動は理由が明確です。
キャリア設計を恋愛に例えると、相手に好きになってもらったから自分も好きになるのが「流される生き方」で自分が好きになって相手にも好きになってもらうのが「自ら主体的に考える生き方」だと思います。
どちらも結果的に幸せになることができるのであれば良いですが、その幸せを掴むプロセスが全く異なります。相手に合わせて受動的に幸や不幸を手にするのか、幸も不幸も自らの手で掴みとるのかの違いです。
もし自らの手で幸や不幸を掴みとる生き方をしたいのであれば、理想の相手から声をかけられるのを待つのではなく、ならなるべく早く自らキャリア設計を行うなどの行動に移していきましょう。
p.s.
何も考えずに今を過ごすのが習慣になってしまっていることが一番怖いです。まずは将来のことについて考えることから始めましょう。そして、今の活動が求める結果に繋がっているかを考えてみて下さい。もし現在の活動が求める結果に繋がっていないと思うなら何かを変える必要があるはずです。