大学生の仮面浪人はあり?メリット・デメリットと成功原則3選

大学生が仮面浪人するメリット・デメリット

大学生の中には、大学には入学したけれど、他の大学に再受験しようとする「仮面浪人生」がいます。

要は、「大学には合格しけど、どうしても○○大学に行きたい」「でも、留年するのは嫌だ」という学生が仮面浪人をするわけですが、今回は彼らの裏事情について少し考えていきます。

「仮面浪人はあり?それともなし?」あなたはどちらだと思いますか?


仮面浪人とは?

『仮面浪人(かめんろうにん)とは、大学に入学・在籍しながら、それとは別の希望する大学や希望する学部の入学試験のための勉強をしている状態にある学生受験生のことである。』Wikipedia

一応大学に入学はしたものの、他の大学・学部への未練が断ち切れずにもう一度受験を考えている大学生のことを指します。

受験における選択肢としては、普通に浪人する・編入を目指すなどの選択肢もありますが、予め受験に失敗した際のリスクを回避するために大学へ入学しておくという要素が強いです。

仮面浪人生の種類

仮面浪人には2タイプいます。

1.単位履修型仮面浪人生

大学で単位を取得しながら、別大学への受験を考えている仮面浪人生。受験に成功すれば、今の大学を辞めて合格した大学へ入学します。

2.在籍(仮)型仮面浪人生

大学に入学してすぐに休学手続きを済ませるなどして、大学には通わずに別大学への受験を考えている仮面浪人生。在籍だけして受験勉強に時間を費やします。

私大志望であれば、受験科目が少ないので大学に通いながら仮面浪人をすることは可能です。ただ、国立志望だと受験科目が多く、大学で何十単位もの大学受験に関係のない学問を学んでいくのは仮面浪人が失敗するリスクを増大させます。

仮面浪人を成功させるにはどれだけの学習量が必要であるのかと、それを確保・実行に移すことができるのかを事前に見積もっておくべきです。

どんな人が仮面浪人するの?

進学校に通っていて高学歴の大学へ入学を目指していたものの、受験に失敗。滑り止めの学校には受かったので、一応入学だけしてもう一度大学受験を目指す学生が仮面浪人をしながら大学に通います。

仮面浪人する学生の中には大学に入学する前に再度受験を決意している人もいれば、大学に入学してみてから「やっぱり○○大学に通いたい」と再度受験を目指す人も…。

「自分の理想を実現したい」と強く考えている人や学歴コンプレックスを感じてしまう人が陥りがちですが、仮面浪人をするにはメリットやデメリットが存在するので確認していきましょう。

仮面浪人のメリット

1.受験に失敗しても行く宛がある

仮面浪人をする一番のメリットは再受験に失敗しても行く宛があるという、安心感です。

浪人して再度受験勉強を進めていくのは非常にストレスの溜まるものですが、少なくとも「また大学に受からなかったらどうしよう」という不安からは解放されます。

2.仮面浪人しないという選択もとれる

大学に在籍している間に「やっぱり今通ってるこの大学で良いや」と思ったら、受験勉強をやめてそのまま通い続けることも可能です。仮面浪人をやめれば受験勉強にかける時間や労力を別の活動に注ぐことができます。

また、大学のブランド等にとらわれずにやりたいことが見つかれば、仮面浪人をしておくことで集中してやりたいことに情熱を注ぐことができます。

よくも悪くも「いつ勉強をやめても大丈夫」な状態は仮面浪人ならではです。

3.取得単位が引き継がれる

大学で単位を履修しながら仮面浪人に成功した場合、それまで取得した単位を引き継ぐことができる学校・学部もあります。

単位を引き継げれば、仮面浪人して大学に通っていた時間は無駄にはなりませんよね。

(それでも大抵は4年で卒業することになるので、1年分の学費は余計にかかります。ただし、単位に困る確率が低くなるので、就活時に余裕を持つことができるとも考えられます。)

4.大学生活を先取りできる

「早く大学生になりたい」と大学生活が待ち遠しい場合は、仮面浪人することで大学生活を楽しみながら浪人することができます。

宅浪だと家族と触れ合う時間が長いので、そうしたしがらみから早く逃れたいという気持ちで仮面浪人をする学生も多いです。

5.大学で友達ができる

浪人した場合は予備校などに通うことでそこでの友達ができますが、みんな切羽詰まっているので息苦しく感じることもあります。

また、予備校には地域の浪人生が集まっていて元々の知り合いも多く、面倒であったり、逆にモチベーションが下がることも。

仮面浪人すれば大学で全国津々浦々から集まってきたフレッシュな学生の友達ができて、楽しい日々を過ごすことが可能です。

6.合格すれば2つの大学を経験できる

仮面浪人して大学に合格した場合、2つの大学を経験することができます。良いと思うかどうかは人それぞれですが、あまりない貴重な経験です。

仮面浪人のデメリット

1.誘惑が多い

サークル活動・学祭・高校までとは違った遊びの数々…仮面浪人していると大学にはたくさんの誘惑があります。こうした誘惑に流されていては仮面浪人が成功する確率は間違いなく下がるので、気をつけなければなりません。

2.大学で孤立しがち

学生のほとんどは仮面浪人していません。仮面浪人している学生の多くは仮面浪人していることを隠して学生生活を送っています。仮面浪人していることに後ろめたさを感じながら学生生活を送ってしまっていると、他の学生とうまく付き合えずに孤立しがちです。

学校で孤立してしまうと、ネガティブになる→仮面浪人としての勉強意欲も低下する→再受験に失敗→仮面浪人先での学校でも居場所がない→再浪人へ…という道も見えてきてしまいます。

明るい性格の人であれば問題ないかもしれませんが、そうでない人にとっては苦しいかもしれません。

3.お金がかかる

仮面浪人する際には大学の入学費や授業料、そして再度受験する際の受験料に追加の入学金…100万円では全然聞かないくらいのお金がかかります。

ある程度裕福な家庭でなければ、「あなたの好きなようにしなさい」という寛容な親でも、裏では相当な苦労をすることに…。

自分で学費を支払わないなら、こうした事実にも目をそらさずに「将来稼いで親孝行するんだ」という気概を持って学業に励みましょう。

4.時間が無駄となる

仮面浪人中の受験勉強のほとんどは大学で役立つことはありません。特にギリギリで受験に失敗した学生なら、なおさらです。

大学に合格した場合は、大学に通っていた時間。受験に失敗した場合は、仮面浪人して勉強していた時間が無駄となります。

5.勉強時間がとれない

大学に通いながら受験勉強をした場合、勉強時間が十分にとれないことになります。暗記重視の受験勉強では、忘れてしまうと獲得点数が下がります。

普通に浪人していれば受けっていたかもしれないのに、仮面浪人してしまったことで受験勉強に身が入らず不合格になるリスクもあります。

6.勉強習慣を維持するのが大変

現役時代に受験勉強をある程度頑張っていてしまうと、浪人してもう一年受験勉強に情熱を注ぐことが大変です。ほとんどの学習内容は復習ということになりますから、飽きてしまいますし、一度やめてしまった勉強習慣を取り戻すのは容易ではありません。

7.モチベーション維持が大変

大学受験で志望していた大学にあと少しで落ちてしまった場合、「そんなに勉強する必要がない」と考え、勉強する習慣・時間が激減してしまっては仮面浪人が成功する確率は下がります。

たとえ模試で合格ラインに達している学力水準だったとしても、仮面浪人を成功させたいのであれば気を抜かずに勉強習慣を継続していく必要があります。

誘惑の多い大学生活において、モチベーション維持は非常に大変です。

なお、受験時の学力よりも高い水準の大学に入学したい場合には、大学に通いながらこれまで以上の勉強をするが出てくることもあります。履修単位・受験科目が多いほど大学受験に関係ないことを学びながら勉強するのは苦痛に感じるはずです。

仮面浪人について、オリエンタルラジオの中田敦彦さんは以下のように語っています。

仮面浪人という選択肢は絶対にありえないって!

仮面浪人する人はその先の人生で苦しむと思う

ようするに、進学する大学に納得はいっていないけど浪人するのはイヤだと。そこで、一応進学するけど並行して受験勉強してもう一度チャレンジしようということね。オレの友達にも、慶應に受かったけど、絶対に東大に行きたくて仮面浪人して東大に行った人がいるよ。でもね……仮面浪人する人はその先の人生で苦しむと思うんだ。

というのも、その友達は東大に入学できたけど就職ですごく苦労したんだ。それは「仮面浪人をしたから」じゃない。仮面浪人をするような性格だったから苦労したんだと後になって思ったんだ。

だって浪人するなら、仮面で入学する必要なんてないはず。学費だってかかるし、どうせ辞めると思ったら学校生活も楽しくない。正直に仮面浪人していることを話したら友達なんか作れないから、それを隠すことになる。だけど秘密を隠した状態で、心から友達になんてなれないよね。そんなことを考えたら絶対に仮面浪人を選択するのはありえないはずなんだ。』スタディサプリ|仮面浪人ってアリだと思いますか?【オリラジ中田の参考書じゃなくオレに聞け!】

ただし、これを鵜呑みにする必要はありません。

なぜなら、人それぞれ性格や考え方が異なり、また抱えている状況も大きく異なるからです。何をするにしてもどのような手法が正しいのかは人によって違ってきます。

どの大学に入学・卒業するかはやはり重要な面もあります。

まず、大学のブランドが手に入ること。これを気にする人はすごい気にします。

ファッションと同じで自己満足的な要素が強いですが、場面によっては大きな効力を発揮することがあります。人生なんて自己満足で進めていくものなので、他の誰が正しいと言うかなんてものは最終的にはどうでも良いのです。

そして大学にいる学生の質です。やはり高学歴の大学の方が優秀な学生が集まっています。人は他人に影響を受けながら成長していくものなので、優秀な人が集まっている環境に身を置くことは非常に重要であり、成長スピードに大きな差ができる要因にもなります。

慶応と東大程度の差であればまだ良いですが、東大とMARCHほどの差があると、学生・教授の質や学習内容が結構違います。この4年間の差は結構大きいですよね。

なので、もし仮面浪人をしたいのであれば、すれば良いと思います。ただし、お金・時間・労力・ストレス…様々な負荷がかかることは覚悟してください。

仮面浪人で失敗しないための成功原則

1.遊びは適度に

誘惑の多い大学生活で恋愛や遊びにはまってしまうと、仮面浪人して受験勉強するのが億劫になり、勉強に身も入りません。

受験の合否は自己責任であり、他人の誘いに乗らずに徹底した自己管理が必須です。

2.目的意識を明確に

なぜ仮面浪人して別の大学に受験するのか? 

その理由が明確でなければ、受験勉強に集中できず途中で仮面浪人している意味が分からなくなり、精神的不安を抱えてしまうかもしれません。目的意識を明確にしてモチベーション管理を徹底しましょう。

3.規則正しい生活スケジュールで勉強習慣を維持

勉強する習慣を維持するには規則正しい生活スケジュールを送ることが不可欠です。おすすめは勉強する時間と場所を決めておき、メリハリをつけて受験勉強をしていくことです。

私の知人は、毎日カフェに通いつめて学習する時間を確保していました。

記憶の定着には継続が大切です。受験前は短期的に詰め込むのも良いですが、継続して知識を定着させていくことも並行させていきましょう。

仮面浪人に向かない人

他人に流される、自分の意思が弱い人は仮面浪人するのには向いていません。本気で仮面浪人するというよりも、「普通に大学に通って、試しにもう一度受験してみて、受かったら転学しよう」という感じで勉強には身が入らないと思います。

まとめ

仮面浪人するかはどうかは、自分がそれで良いと思うかどうか

仮面浪人に対する意見は人それぞれであり、どちらかというと良いイメージは持たれていないのではないかと思います。ですが、誰に迷惑をかけるでもないわけで(親には金銭的な負担をかけてしまいますが)、各人がそれで満足するのであればそれで良いわけです。

他人の意見に流されて仮面浪人しなかったものの「仮面浪人しておけば…」と後悔するのは最悪ですよね。大学生になるのであれば、そろそろ自分で下した判断に責任を持って行動することができるようになりましょう。

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