海外留学に行くなどの理由で休学をする学生がいます。
休学するということは、その分卒業までの時間が遅れるということにもなりますので、メリットもデメリットも同じくらいあります。
今回は大学生の休学事情についてまとめましたので、休学に対する理解を深め、休学する場合にはそのメリット・デメリット等を考慮した上で行動に移すようにしてみてください。
休学する学生の割合
文部科学省の『学生の中途退学や休学等の状況について』によると、休学をする学生は全体の2.3%(67,654人)いるそうです。これだけの学生が休学しているということは、他人事ではないですね。
結果の概要
- (1)中途退学者の総数は、全学生数(中途退学者、休学者を含む)2,991,573 人のうち
2.65%(平成 19 年度比 0.24 ポイント増)に当たる 79,311 人。中途退学者のうち経
済的理由による者は、20.4%(同 6.4 ポイント増)に当たる 16,181 人。- (2)休学者の総数は、全学生数(中途退学者、休学者を含む)2,991,573 人のうち 2.3%
(同 0.5 ポイント増)に当たる 67,654 人。- (3)授業料滞納者数は学生数(中途退学者、休学者を除く)2,844,608 人のうち 0.4%(同)
に当たる 11,361 人。調査対象:国・公・私立大学、公・私立短期大学、高等専門学校
1,191校 (回答校1,163校 回答率約97.6%)
調査期間:平成 26 年2月7日~3月7日文部科学省『学生の中途退学や休学等の状況について』
休学する理由
文部科学省の『学生の中途退学や休学等の状況について』によると、学生の休学理由は以下のようになっています。
休学者の状況(平成24年度)
- 経済的理由(15.5%)
- 海外留学(15.0%)
- 病気・けが(14.6%)
- 学業不振(4.4%))
- 学校生活不適応(3.0%)
- その他(47.6%)
文部科学省『学生の中途退学や休学等の状況について』
最も多い休学理由は経済的理由であり、
- 学費が払えない
- 大学は払えたとしても生活費を工面することが難しい
といった理由で休学をしている学生が多いことが予想されます。
休学者には海外留学のために休学する学生も多く、それぞれが様々な理由を抱えています。
大学生には常に休学という選択肢を選ぶことができますが、休学するメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
休学するメリット
1.復学してもしなくても良いから精神的な余裕ができる
大学を辞めるということは、それまで払ってきた数百万円という学費が無駄になるようなものです。いきなり退学するというのはそう簡単に決意することはできませんが、休学すれば考え直して復学する選択肢と退学する選択肢を時間をかけて選ぶことができます。
大学とは違う場所でやりたいことがあったとしても、それが本当に自分に合っているかは分かりません。それなら休学しておくのも良いでしょう。
2.学生という身分は残る
休学した場合は依然として学生という身分は残りますが、退学した場合は学生ではなります。学生ではなくなるということは、転学や正社員として就職等しなければ、フリーター・ニートになります。
突然最終学歴が高卒となってフリーターやニートになると、プライドが傷つけられて落ち込んでしまう人が多いはずです。大学を捨てるだけの何かがなければ、学生身分を残して休学する方が懸命な場合がありあす。
3.学業から離れ自由に時間を使える
在学中は少なくとも平日2〜4日程度大学に通うことになると思います。また、授業の予習・復習やサークルやバイトなどで多くの時間をとられ、本当に時間を割くべき活動に十分な時間を割けないことにもなります。
大学に縛られてしまうと、本来は将来の可能性を広げるために学んでいるにも関わらず、常識にとらわれて選択肢を狭めてしまっていることにもなりかねません。
休学すれば一度学業から離れ、自分の時間を自由に謳歌することができます。
4.やりたいことに集中できる
本気でやりたいことがある場合、それ以外の活動が全て無駄に感じてしまうことがあります。息抜き感覚で大学に通うことができるのであれば良いですが、それがストレスになってしまうとやりたいことにも十分に集中できなくなります。
であれば、休学や退学をしてやりたいことに集中できる環境を整えた方が良い場合が多いです。恋人と一緒にいる時間を増やしたいとかではなく、仕事になるような生産的活動に限りますが…。
想定される好ましい状態
1年間の休学をする中でやりたかったことを真剣に取り組んだ結果、ある程度の成果が生まれ自身の大きな成長へと繋がる。大学に戻らなくてもやっていける自信があり、せっかくなので学位を取りつつ学生生活を楽しむなど自由に決断できる余裕ができる。
休学するデメリット
1.同期よりも進学が遅れ、卒業までに時間がかかる
休学する際に気になってしまうのが、その期間卒業までの時間が遅れるという点です。休学せずに卒業してからやりたいことをやるべきなのか、遅れて卒業したとしても休学してやりたいことをやるのか。
現役で大学に入学していたとしたら留年した同期と同じ時期に卒業することなりますが、留年して大学に入学していたら現役生から2年遅れることになります。
休学することに時間を犠牲にするだけの価値があるかどうかは真剣に考えておかなければなりません。
2.金銭的な負担がかかる
国立大の多くは休学費用はかかりませんが、私大では授業料の半額程度の休学費用を取られることが多いです。国立大に通っている学生であれば、気軽に休学できます。ただし、私大なら半額といっても50万円ほどの費用がかかるので、その費用負担についてはあらかじめ覚悟しておいてください。
3.就活に若干不利
休学をしていた場合、就活の際に休学理由について問われることがあると思います。その時に、上手な切り返しができればプラスに働くこともあるかもしれませんが、相手が納得できないような回答になってしまうとマイナスになるかもしれません。
休学時期に大きな成長を遂げることができなければ、就活において若干マイナス要素となることもあります。留年して大学に入学して、休学して、就活留年して…自分の人生をどう生きるのかは自由ですが、後悔のしないよう自分の意思で選んでいきましょう。
想定される好ましくない状態
大学がつまらないから休学申請をしたものの特にやりたいこともなく、ダラダラと毎日を過ごしてしまう。やりたいことをやるにもお金が足りないのでバイトをしていると、それだけで休学期間がほぼ終了していた。最後にちょっとだけ海外旅行に行って休学期間を終え、結局何も身にならないず就活も全然うまくいかない。
まとめ
休学する目的を明確にすること
休学をする上で最も大事なことは何となくでするのではなく、目的意識を明確に持つことです。目的意識さえ明確であれば、後悔することもないですし、休学して時間的余裕ができて遊んでしまうことも減ります。
休学する前に休学後のスケジュールは必ず立てておくことが大切です。休学申請する数ヶ月前から何をするかについて真剣に考えていた方が良いです。
休学はプラスに働かせることもできる
例えば1年間休学したとして、その時期にインターンシップなどで職務上の経験や実績を積んでいたとします。そうなれば、就活の際に他の学生との差別化が図られ、望んだ企業から内定をもらえる可能性は上がるでしょう。
もし休学せずに何となく大学に通って就活を始めていては就活は中々上手くいかないかもしれません。
大学生にとって卒業後の企業・職業選択は非常に重要な問題です。休学期間を有効に活用することでその問題を解決する上での優位性が築ければ、休学する価値は十分にあると言えるでしょう。