法学部など、一部の学部では卒業論文が必須でないところもありますが、たいていの大学生は卒業論文(卒論)を書くことになります。
今回は、卒論のテーマ決めから構想、いつ頃から書いていくべきか、またコツや注意点などをまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
卒業論文は4年間の集大成である!
1.ゼミでの発表を元にネタを探す
卒業論文を書くにあたって、まず大学生はゼミと呼ばれる演習に参加します。これは特定の教授に師事するもので、ティーチング・アシスタントと呼ばれる大学院生が参加することもあります。
院生や上級生はいわば指導役でもあるので、ゼミ発表の際にいろいろな質問をしてきます。
ほとんどの大学では、ゼミに参加するのは3年次からです。それまでは、一般教養や第二外国語に結構時間を取られることもあり、専門的な教育を受けることは稀です。
3年になってからゼミ(理系ではラボ)に入るのですが、各教授によって得意分野や研究分野が違うので、気になるゼミを探しましょう。
ゼミ発表では与えられたテーマや、卒論で書いてみたいテーマについて軽く触れていきますが、それを基にして論文を書いていくことになります。
ゼミ発表の際のレジュメ作りやパワーポイントなどの資料作りは丁寧に行っておかないと、いざ論文を書く際に、詳細な部分が書けなくて困ることになります。
ですが、レジュメ作りなどを念入りに行っていればスムーズに卒論が書けるようになるので、日々の積み重ねが大切です。
2.卒業論文を書くために知識をフル活用!
もちろん、同じ法学部であっても政治学科だとか法学科だとか違いがありますし、その中でも国際政治に興味があるのかなど、自分の興味は他人と異なっていると思います。
自分の講義ノートを見ればわかると思いますが、興味のある講義は他の講義よりも念入りに板書をしていたり、テスト勉強をしているはずです。このテスト勉強やレポート作成で得た知識を活用しない手はありません。
せっかく学んだ講義の知識を盛り込まねばもったいないですし、一から全て調べるのは時間がもったいないですよね。
ですから、ゼミの教授の講義ノートはいつでも閲覧できるように自分のデスクの見やすい位置に置くなど、さっと見られる環境作りが大切です。
教授が重要だと言った点は、論文に盛り込むべき内容として学問的にも非常に重要視される点なので、その点をさらに追求すると深い論文が書けます。
ただ単に、興味のあることだけを書いてるのでは、単なる作文になって書き直すことになってしまいます。あまり興味がなくても頑張って調べる努力をしてみてください。
論文は、ある学問的な事柄について、深く調べ、それを自分なりの解釈で文章にするということだからです。
ゼミ発表の際に気をつけること
1.中間発表などはある程度論文形式にしておくと便利!
ゼミでは当番で発表順が回ってきますので、自分の発表にはみなさん力を入れると思います。大学やゼミにもよりますが、中間発表や期末発表の時期は特に念入りに行ってください。
だいたい3年次の後半や、4年次の前半で、ある程度論文のようにまとまったプロットを練って、論文形式でA4用紙4枚ほどを毎回準備しておけば、それがストックになります。
「今回は1章について触れよう」「次はあの文献を調べて描き直そう」など、目標が立てやすくなりますし、改善点も自分でわかるようになります。
ストックの文章があれば、就活で忙しくても、卒論を全部4年の後半から考えなくても良いので、おすすめの方法です。
2.言われたことはすぐに調べる
ゼミ発表で自分が準備を頑張っても、他の同級生や上級生、教授から質問されたり、もっと調べて欲しいと言われることがあると思います。前もって質問に答えられるくらい調べておけば、ゼミ発表もその後使用する卒論のネタにも困りません。
ですが、もし質問に答えられなかったり、自分でもあやふやな点がある場合は、できるだけその日や翌日のうちに図書館へ行くなりして調べることをおすすめします。
「なんで質問されたんだろう」「何を調べるつもりか忘れた」となってしまわないために、早めに調べて答えを探すと、次の発表でも論文に盛り込むネタもわかるからです。
何事も早めの対策が必要とは、まさにこのことですね。
卒業論文をうまく書くコツとは?
1.得意なところから書けばいい!
論文を書くということは、多分大学生活の中で1回くらいです。
それが卒業論文です。
学会発表などに力を入れているゼミや、院生は常に論文を書いていますが、普通の大学生は卒業論文が本格的な論文として初めてのことだと思います。ですから、最初は皆わからないことだらけですし、どこから書き始めたらいいのかも見当がつかないかもしれません。
序論から書いて、途中で本論とずれてしまう人もいます。こうした失敗を避けるためにも、別に序論から書き始める必要はありません。
得意な部分から書いていって、それをつぎはぎしていきます。
もちろん、前後の文脈は、序論、本論、結論で一貫して言いたいことがはっきりしているかも大切ですが、最初は自分が書けそうな部分から書いてみてくださいね。
そうすると、面倒くさいと思っていた卒業論文を書くことがだんだん楽しくなると思います。やっぱり最後の集大成を書き上げるのは、苦労しますが、やり遂げた達成感は味わえますよ。
2.ハンドブックがあればなおよし!
レポートの書き方や、論文の書き方に際して細かい注意点やルールが教授から示される場合もあると思いますが、場合によっては「自分で調べてください」と言われることもあります。
確かに自分で調べるのが大学生の勉強の仕方なので、ある意味仕方ないです。しかし、そんな時に役立つのが、書店で売っている論文の書き方マニュアルです。
これは様々な出版社から出ていますので、自分が見やすいと思ったものを買えば良いと思います。あまり文字が多くて、細かすぎるものだったりすると、読む時点でやる気をなくしてしまいますよね。
脚注のつけ方や、参考文献の書き方なども載っていますから、それらが書いてあれば十分です。特に、参考文献は、日本語の場合と英語やその他外国語で書かれた本の場合で表記の仕方が違います。
例えば、英語の場合は本のタイトルをイタリック体にしなければならない、などです。
カンマの打ち方、その後にスペースを入れるなど細かい情報が載っていれば、最後の仕上げの際にとても役に立つので、ぜひ参考文献の書き方が詳しく書かれているハンドブックを選んでくださいね。
参考文献リストの書き方などのページに、目立つ付箋を貼っておけば、すぐに調べられますので、おすすめです。
3.序論は本論ができてから
先に、書けそうな部分から書いた方が、一貫した文章になるので良いと言いましたが、さらに良い方法として、序論は後回しにする方が良いという点があります。
序論で「〜について論じます」と書いてあるのに、本論でそれに触れていないと、せっかく書いた本論や結論の意味がなくなるからです。
「この論文は面白そうだな」「ちゃんと一貫している」と教授陣が思うような卒業論文にするために、まず得意な分野から書いて、結論を書きます。
結論で自分の意見も交えつつ、答えを導きだした後に、序論で「〜について論じます」と書いた方が、自分で見直してみても、読みやすい文章になっていると思います。
このテクニックをぜひ使ってみてくださいね。
卒業論文で良い思い出を
確かに卒業論文は4年生が一番苦労することですが、書き上げれば立派な集大成になりますし、とても内容が濃いものは学校によっては表彰される場合もあります。
そうなったら、自分もやってよかったと思えますよね。
書き方のコツを知れば、スラスラと書けるようになると思います。