【飲酒の危険】飲み会で酔っ払うと脳や身体に何が起きるのか?

【飲酒の危険】飲み会で酔っ払うと脳や身体に何が起きるのか?

大学生になるとサークルの飲み会等で飲酒が日常となり、社会人以降も飲酒習慣が続くようになる人が大勢います。

では、飲酒は私たちの身体にどのような影響を与えるのか知っていますか?

今回は、飲酒が人間の脳や身体に与える影響について解説していきます。今後はお酒を飲むと脳に何が起きるのかを理解した上で飲酒判断を行ってみてください。

※飲酒好きな方は読まない方が良いかもしれません。


飲酒によって生じる弊害【脳編】

前頭葉の機能が低下し、理性的に考えられなくなる

アルコールを摂取すると理性的な思考を司る前頭葉の働きが低下し、理性が失われていきます。

すると、本来ならば言わないであろう他人の悪口や自慢話を始める、過激な下ネタを話す、大声で叫ぶ、異性に対する積極的なアプローチを始めるなどの言動・行動をとるようになります。

飲酒によって普段は言わないこと、しないことを始めたら、それは前頭葉の働きが低下している証拠です。

小脳の機能が低下し、平衡感覚がなくなる

酔っ払ってくると平衡感覚や運動機能を司る小脳の働きが低下し、真っ直ぐ歩けなくなります。飲みすぎると千鳥足でフラフラしてしまうのがその典型です。

また、思うように身体が動かなくなり、呂律が回らなくなる、スマホの操作が上手くできないといった現象も小脳の働きが低下することが原因です。

海馬の機能が停止、萎縮することで、記憶の欠落や記憶力の低下が起こる

酔っ払った日の記憶が欠落する人や何度も同じ話を繰り返す人は周囲にいると思いますので、飲酒時の短期記憶が麻痺する(海馬に情報をとどめておけなくなる)のはなんとなくわかると思います。

それだけではなく、飲酒量に相関して海馬が萎縮し、長期的な記憶力も低下します。

大脳全体が萎縮する

習慣的な多量飲酒は大脳全体を萎縮させます。お酒を飲む人と飲まない人では、大脳の大きさの差は10%~20%もあるそうです。

大脳は前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分けられる、人間的な思考・行動には欠かせない存在です。

大脳全体が萎縮するということは、理性的に考える力、言語、運動神経、記憶…様々な分野のパフォーマンスが低下するということ。

より具体的に言うのであれば、以下のようなことが起きます。

  • 感情的に行動するようになる
  • 創造力が失われる
  • 単純な言葉しか使えなくなる
  • 細かい動作が上手くできなくなる
  • 新しいことが全然覚えられなくなる

そして、認知症、アルツハイマー病、うつ病といった脳の病になりやすくなります。このように、飲酒は脳に悪影響を与え、一度萎縮した大脳は元には戻らないので、飲むほどに人間的な機能が低下していきます。

飲酒によって生じる弊害【身体編】

寝つきが悪くなる

寝酒といって寝る前にお酒を飲むと寝つきが良くなると考えている方もいますが、実際はその逆です。寝酒は睡眠を浅くし、目覚めを悪くします。

体重が増加する

私たちの摂取するお酒には糖質やタンパク質が多く含まれています。また、アルコールには食欲増進効果と満腹中枢の働きを抑える効果があり、食べ過ぎの原因となりやすいです。

アルコールだけで太るわけではなく、飲酒環境は極めて太りやすいものとなっています。

様々な病気になりやすくなる

アルコールを摂取していると、ここまでに挙げた認知症、アルツハイマー病、うつ病といった脳の病だけではなく、心筋梗塞や脳梗塞、クモ膜下出血や脳出血を起こしやすくなります。

少量の飲酒は脳に良い影響を与えるは嘘

これまで飲酒者を支えていた論理に、「ほどほどの飲酒をする人は、最も認知症のリスクが低くなる」というデータがありました。しかし、スタンフォード大学の研究によって「少量の飲酒でも身体に悪影響がある」というのが定説となってきています。

「酒は百薬の長」と言いますが、科学的には完全に否定された形となります。

なお、少量の飲酒は一時的に創造性を豊かにするというデータがあります。(飲み過ぎると逆効果)

栄養不足になりがち

お酒を多量摂取した場合、その代謝のためにもビタミンB1、B6、B12などの栄養が不可欠となります。栄養が十分でないと、ビタミン・ミネラルの欠乏症を招き、肌の状態が悪くなったりアルコール性末梢神経障害やウェルニッケ脳症を引き起こします。

低度な症状としては、末梢神経にしびれや痛みを感じます。重度になると自分では動けないほどの神経障害が発生したり、ウェルニッケ脳症で脳に障害が発生すると意識障害や眼球運動、運動機能全体に障害が発生して後遺症が残る恐れもあります。(最悪、昏睡状態となり死んでしまうこととなります。)

妊婦の飲酒はお腹の赤ちゃんにとっても悪影響

妊娠中に大量のアルコールを摂取してしまうと、障害を持った子供が生まれる可能性が高くなります。骨格が歪む、心臓や心肺機能が悪い、発達障害や知的障害を持ってしまい、致死率も高くなってしまうのです。

どうしてもお酒が飲みたいのだけど…

お酒が好きな人の中には「脳や身体に悪影響を及ぼさない範囲でお酒を飲みたい」という方もいるかと思います。そんな方はこちらを参考にしてください。

『脳を萎縮させたくない場合、1週間に飲酒を、1日1ユニット未満または1週間に6ユニットまでに制限した方が良いことになります。1週間に、350mlのビールなら3缶まで、グラスワインなら2杯まで、ウイスキーなら150mlまで、焼酎なら240mlまで、日本酒なら400mlまで、となります。』「酒は少量でも脳に影響」英オックスフォード大による研究の衝撃|MAG2NEWS

「お酒は飲んでも呑まれるな」とはよく言うものですが…

普段から何も考えてない→ストレスをお酒で発散しようとする→脳機能が低下→さらに何も考えなくなる→ストレスをさらに多量のお酒で埋めようとする→脳機能がさらに低下…

このような負のスパイラルが確立してしまうと、アルコール依存症となってお酒なしには生活できなくなることや、認知症になって記憶そのものが困難になる可能性すらあります。

飲酒にはこのような危険がつきものであることを理解しておきましょう。また、友人を飲みに誘う際は、お互いにこれまで挙げた危険を共有することになること心に留めておいた方が良いかもしれませんね。

お酒をやめますか?それとも人間やめますか?

若い世代は、飲酒の危険性について感覚的に理解し、進んでお酒を飲む人は減ってきています。

ですが、飲みサーと呼ばれる団体に所属する学生や、頻繁に飲み会が開かれ、そこに参加する学生は多いのではないでしょうか。

そんな方は今回の記事に書いた飲酒が脳や身体に与える悪影響を理解した上で、参加するようにしてみてください。

詳しく知りたい方は参考記事と合わせて各自調べてみていただけたらと思います。

参考:酒の飲み過ぎで大脳が10~20%萎縮! 脳の機能障害でうつ病や認知症の原因にも|HEALTH PRESS
参考:酒は毒? 薬? アルコールの摂取で脳が縮む!|日経ビジネスオンライン
参考:適量のアルコールでも脳には悪影響が 海馬の萎縮リスクが3倍以上に|保健指導リソースガイド
参考:酒は毒? 薬? アルコールの影響で「脳」はこう変わる|日経Gooday
参考:「酒は少量でも脳に影響」英オックスフォード大による研究の衝撃|MAG2NEWS
参考:国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について|農林水産省
参考:寝酒がダメな理由|NIKKEI STYLE

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